どうせ「stay home」するなら気持ちも明るく心豊かに、心身ともに健やかな日々を暮らしたい。そんな皆さんに野菜やハーブを育てながら備蓄する「家庭菜園で備えるローリングストック」を提案します!
「ローリングストック」は災害時の備蓄と何が違うの?
社会情勢が不安定になると、トイレットペーパーやパスタなどの商品が品切れしてしまうといった混乱が度々起こります。これは、SNSの噂などで、物資供給の不安に陥った多くの人がいつも以上に一気に購入することから生じます。日頃からローリングストックを心がけておけば、さまざまな情報に惑わされず、冷静にいつもの暮らしを続けることができます。
参考:日本気象協会 「トクする!防災 備蓄の心得 ローリングストックについて」
災害時の備蓄
災害時の備蓄とローリングストックでは、どんな点が異なるのでしょうか?最低限3日分の備蓄が必要
災害発生直後は、物資の支援よりも生存者の救助が優先されます。救助のリミットは72時間といわれ、日数にして3日間なので、最低でも3日以上家族が生活できる備蓄が求められます。いま一度必要な食糧や日用品について考えてみましょう。▼保存食や防災グッズのことならこちらをご覧ください。
備蓄する物品
東日本大震災では、電気、水道、ガスといったライフラインが9割程度復旧するまでかかった日数は、電気が6日、水道が24日、ガスは34日でした。内閣府による首都直下地震(東京湾北部地震M7.3 被害最大ケース)の想定では、復旧までに電気が6日、水道が30日、ガスは55日かかるとされていますので、このライフライン復旧の目安から、備蓄する物資の項目について家族で話し合うといいですね。
参考:内閣府(http://www.bousai.go.jp/kaigirep/chuobou/senmon/shutochokkajishinsenmon/15/pdf/shiryou2.pdf)
パンデミック時には「家庭菜園」という備蓄もプラスする!
では、一体何を備えたらいいのでしょうか。
家庭菜園で「食」も「心」も備えるローリングストック
そんなとき、家庭菜園で育てた野菜を収穫して料理すれば、良い気晴らしになります。また、買い物に行く回数を減らし、新鮮な野菜を食べることで体調を整えてくれる効果も。そして、何よりも育てた野菜をおいしく⾷べることの喜びが、パンデミック時に「心を安定させる備え」となります。
しかも家庭菜園は備蓄と保存性に優れている!
筆者の経験ですが、レタスなどサラダに使う野菜を収穫したまま、冷蔵庫に入れてうっかり1週間以上放置したことがあります。恐る恐る冷蔵庫の隅に追いやられた野菜を手にとってみると、まだみずみずしい状態。つまり、家庭菜園で収穫した野菜は、スーパーなどの小売店で購入した野菜と違い「流通」が省かれるので、新鮮な状態が長く保たれます。収穫するまで生きた状態で「備蓄」し、収穫した後は購入した野菜より長く「保存」が可能なので、ローリングストックとしても家庭菜園はとても優秀な方法です。このように、家庭菜園はパンデミック時の「心を安定させる備え」となるほかに、「食の確保」という課題においても、優れたローリングストック術になるのではないでしょうか。
自分に合った家庭菜園のカタチを見つける
窓辺の家庭菜園
半日陰でもOK!
ハーブは半日陰でもよく育つものが比較的多いので、人気のバジルやパクチー、和ハーブならシソやミツバなどから始めてみてはいかがでしょうか。
▼おすすめのハーブのことならこちらをご覧ください。
お家にある材料から
例えば、卵の紙パックを再利用したり、トイレットペーパーの芯や新聞紙を筒状にしたりして育苗ポットを作り、土を入れて種をまき、少し大きくなったら、今度は使っていない鍋やボウル、ペットボトルの底に穴をあけた手作りプランターに移し替えて窓際で育ててみるのはいかがでしょうか。
スペースがもう少し広いベランダやお庭なら、着古したジーンズやスニーカーに土を入れて育てたり、100均などで購入した不織布でできた収納やバック、麻袋や穴をあけた米袋だってプランターの代わりになります。
▼キットなしで育てる水耕栽培のことならこちらをご覧ください。
ベランダ菜園
プランターの深さが30cmくらいあれば、ミニトマトなど本格的な野菜でも十分育ちます。冬場の日がよく当たるベランダは、畑で育てるよりも温度が高いので、予想以上に長い間収穫できることも。
関東に住む筆者の経験だと、夏から育てたミニトマトは2月上旬まで西日が当たるベランダでゆっくり生育していました。霜が降りたときに1日で枯れてしまったのですが、そんな寒い日は家の中に避難してあげたなら、きっとまだまだ育てることができたと思います。というのも、トマトは日本のような寒い冬がある地域では1年生作物として栽培されますが、原産地では多年草作物なのです。
▼ミニトマトの育て方ならこちらをご覧ください。
▼育てる野菜に適したプランターのことならこちらをご覧ください。
始める前の確認をお忘れなく
ここで注意!マンションによって、ベランダにプランターを置いていいのか、置く場所は非常口付近や室外機の位置ではないかなどについてしっかり確認しておきましょう。非常事態に備えるローリングストックのために行っていた家庭菜園が、避難経路を通せんぼしていた…なんてことがあってはならないですからね。▼ベランダ菜園を始める前にこちらをご覧ください。
省スペースのミニマム派に
▼ベランダやフェンスで育てるときのプランターならこちらをご覧ください。
グリーンカーテンで省エネを兼ねたローリングストック
植物の蒸散や日差しの照り返しを防ぐ効果で、夏の窓辺の温度を下げてくれるグリーンカーテン。植物の呼吸によって二酸化炭素削減やリラックス効果もあるため、大きな商業施設のビルだけでなく、⼀般家庭においても効果があります。各⾃治体の環境課などからも推奨されていますよ。しかも、このグリーンカーテンはベランダ菜園にも応用可能で、ゴーヤやキュウリ、サヤエンドウ(高性品種)、ブラックベリーのようなつる性の作物だけでなく、トマトなど草丈が大きく伸びる作物で作れます。
昨年筆者は小玉サイズのネットメロン「ころたん」を育ててみました。「ころたん」が落ちないよう支えるためのハンモックを作ったり、竹串で絵を描いたり楽しんで収穫することができました。涼しくて、おいしくて、しかも心もほっこり。
▼ベランダ菜園で育てた「ころたん」のことならこちらをご覧ください。
お庭や畑で本格的に家庭菜園
筆者も実践!備蓄におすすめの作物
筆者も春夏栽培では定番のジャガイモやサツマイモのほかに、ヤーコンやショウガ、ミョウガなども手がかからないので育てています。秋冬栽培ではジャガイモのほかに、タマネギとニンニクは必ず育てます。周年通して栽培するのは、アサツキやワケギなどの葉ネギとニラがおすすめです。特におすすめなのが葉ネギ!
その中でも葉ネギは年を追うごとに分球して増えてくれるだけでなく、イチゴなど多くの作物の病害虫を防ぐコンパニオンプランツとしても大変優秀な作物です。筆者のイチゴも今年はネギと混植して育てているせいか、イチゴがかかりやすいうどんこ病にもかからず真っ赤に完熟して甘酸っぱい味を堪能させてもらいました。▼市民農園のことならこちらをご覧ください。
▼ジャガイモなどの育て方ならこちらをご覧ください。
おしゃれなポタジェガーデン
▼レイズドベッドのことならこちらをご覧ください。
セカンドハウス付きの農園
ドイツでは、「クラインガルテン(小さな庭という意味)」といって、週末にセカンドハウスのような場所で家庭菜園を楽しむ文化があります。発祥の要因となった背景には、19世紀後半のドイツの過酷な労働環境があります。健康被害が多く出た工場労働者と彼らの貧しい家族のために、このクラインガルテンは食物の自給や健康回復、子ども達が自然に触れられる場所として広まりました。
このような農園システムはドイツ以外にもあり、ロシアでは「ダーチャ」、デンマークでは「コロニヘーヴ」、イギリスでは「アロットメントガーデン」と呼ばれる小屋付きの市民農園があり、現在は作物だけでなく、果樹や樹木、美しい花々も育てられ、都会で暮らす人の緑のオアシスのような役割も果たしています。
▼クラインガルテンのことならこちらをご覧ください。
自分に合った「家庭菜園のカタチ」
家庭菜園はいつでも始めることができるので「思い立ったが吉日」の精神でチャレンジしてみてください。1粒種をまいてみれば、芽が出る楽しみ、育つ楽しみ、収穫できる楽しみと、未来に向けでどんどん楽しくなっていきます。
例え失敗したとしても、また始めればいいのです。人間関係でも合う合わないがあるように、植物とも相性があります。運命の植物に出合うために、1粒の種まきから始めてみましょう。
▼家庭菜園初心者さんにおすすめの作物のことならこちらをご覧ください。
「備える家庭菜園」で楽しみながらローリングストック!
新型コロナウイルス以降の新しい生活様式として「使いながら備蓄するローリングストック」に「楽しみながら備える家庭菜園」をプラスしてみませんか。