植物のある暮らしと装いを|下北沢の隠れ家フラワーショップ「NEROLIDOL」

下北沢にひっそりと佇む、隠れ家フラワーショップ「NEROLIDOL」。フローリストの猪飼牧子(いかい まきこ)さんがオーナーを務め、生花だけでなくハーブやアロマ、エディブルフラワーまで植物のトータルコーディネートを提案しています。今回はお店を訪問し、牧子さんにお話しを伺ってきました♪


撮影:AGRI PICK編集部
下北沢の外れにひっそりと佇むフラワーショップ「NEROLIDOL」。生花だけでなくハーブや精油、エディブルフラワーなどに精通する猪飼牧子(いかい まきこ)さんがオーナーを務めています。今回は編集部を飛び出して、お店ご訪問してお話しを伺ってきました!

下北沢の隠れ家フラワーショップ「NEROLIDOL」

撮影:AGRI PICK編集部
下北沢のメインストリート、しもきた商店街を抜けた先、落ち着いたカフェやパン屋さんがちらほら並ぶ住宅街。緑道沿いのわき道を入ったところに牧子さんのお店はあります。表にたくさん並ぶプランター、木製の出窓にはささやかな花束…。地元の人が犬の散歩ついでにふらりと寄って花束を買っていき、時にはにぎやかなワークショップが行われる、そんな場所がアトリエ「NEROLIDOL」です。季節の植物やハーブティー、フラワーアクセサリーなど「植物を暮らしと装いに取り入れる」をコンセプトに掲げ、植物のトータルプロデュースを提案をしてくれるお店です。

オーナー猪飼牧子さんってどんな人?

撮影:AGRI PICK編集部
NEROLIDOLのオーナーを務めるのは猪飼牧子(いかい まきこ)さん。フローリストAEAJ認定アロマセラピスト/アロマテラピーインストラクターIAPA認定アロマ調香デザイナーJAMHA認定ハーバルセラピストエディブルフラワーコンシェルジュと実に多くの肩書きを持つ牧子さんですが、現在に至るまでのこれまでの歩みをご紹介します。

庭で木登りをしていた子ども時代、幼い頃から草木が好きだった

牧子さんは東京都新宿区出身。新宿出身と聞くと相当な都会育ちなのでは?と思いますが、当時は開発がまだ進んでおらず、空き地もあるような場所だったそうです。

牧子さん「自宅の庭にビワの木があって、学校から帰るとそこに登って宿題をしていました(笑)空に見えるのは高層ビルだけど、草木に囲まれて育ちました。」

生まれてから今まで東京を活動拠点とされている牧子さんですが、幼い頃の環境が今の植物への想いに繋がっているんですね。

ストレス過多の社会人生活の中で出合ったアロマ

大学卒業後は特にやりたいこともなく、就職活動で唯一受かった商社に入社。

牧子さん「全くやりたいことがなく、何かやりたい意志のある人を尊敬していました(笑)」

そんな牧子さんがアロマに興味を持ち始めたのは入社後のこと。

牧子さん「入社した会社が昔気質な商社で、ストレスを感じている人たちを目の当たりにしたんです。自分自身ストレスを抱えるタイプではなかったのですが、体に表れるようになってしまい、顔の下半分にニキビができて治らなくなってしまって…。そんな時に出合ったのがアロマです。当時アロマテラピーが流行っていて元々植物が好きだったこともあり、人を癒したりリラックスさせたりするようなことをしたいと考え始めました。」

思い切って、商社を退職し学校へ入学。アロマについて本格的に学びます。

資格を取得しアロマセラピストとして働く

撮影:AGRI PICK編集部
牧子さん「資格を取ってアロマセラピストとして働き始めると、さまざまなことが想像以上に大変でした。アロマだけで食べていくことも現実には程遠かったです…。勉強していた頃に抱いたあこがれと現実のギャップに『本当に自分がやりたいことなのか』と悩んでしまいました。」

そんなとき、ちょうど勤めていたサロンが経営を理由に閉店することに。ほかのサロンを探すか考えていたところ、並行して働いていた靴屋さんで社員にならないかという誘いを受け、入社。そこで、アルバイト期間も含め11年勤めることになります。

牧子さん「販売というポジションを経験した後にオンラインショップの管理を任され、HTML、フォトショップ、イラストレーターのノウハウを身につけることができました。植物と直接関係はないですが、今、その知識はとても生きているので感謝をしています。」

そんななか、やはりどこかで植物への未練があり「植物のことを試したい!」と靴屋さんを退職することを決意します。

花の師と出会い、生花について実践で学ぶ

牧子さん「靴屋さんを退社したとき、ただアロマテラピーに戻っても同じことの繰り返しだと思い、生花をいじれるようになりたいと考えました。」

そこで花屋で働くのではなく、単発で行われるさまざまな教室(ワークショップ)に足を運ぶようになります。

牧子さん「花屋さんになりたいわけではないなと思って…。アロマもそうですが、趣味で作っていたフラワーアクセサリーを作る技術も生かしたいと考えていたんです。」

色々な教室へ赴くなかで、新たな出会いがありました。

牧子さん「花のデザインはその⼈⾃⾝の感性の問題もあって、⾔葉では説明しにくいところもあります。そんな中⼀⼈の 先⽣に出会いました。理屈をきちんと説明してくれて、何に関しても『なんで︖』と聞いてしまう⾃分にとっては ⼀番しっくりきたんです。」

そこで牧子さんはその先生に直談判!アシスタントとしてその先生につくようになります。

牧子さん「一人の人につけば、素人でも市場やイベントに行ったり出られたりしますし、今後自分が何をしていくかという道筋も見つけやすいなと考えました。」

そこから色々なことを師匠から学び、今でも手が足りないときはお手伝いしているそうです。

牧子さん「普通に花屋さんで基礎をしっかり教わることも大切ですが、先生と過ごした日々は全てが実践でした。ただ頭で知識として蓄えるのではなく、実際に見て学んで噛み砕けるのが良かったです。今、自分自身が直接経験したことがないことでも、『あの時こうだったな』って考えて行動できるようになりました。自分が経験していないことの経験値を、予め与えてくださったような機会でしたね。ありがたいです。」

生花、ハーブ、エディブルフラワー…植物のつながりを見出していく

撮影:AGRI PICK編集部
徐々に単独でもアクセサリー、アロマ、生花などで小さなイベントに出るようになった牧子さん。「植物を暮らしにどうぞ」と各イベントで伝えようとしましたが、なかなかうまくいかなかったそう。

牧子さん「生花と精油の瓶を並べて『どちらも植物なんですよ』と言っても、関わっている人間でなければいまいちピンときませんよね。『これってなんだか押し付けているだけだなぁ』と思い始めて、もっと自然に受け入れてもらうようになるにはどうすればいいかと考えたときに、『人は飲んだり食べたりは絶対やめない。ならばもっと飲食につながることをしよう』と思い、ハーブを勉強し始めました。ハーブは食事に取り入れることもあるし、生花とアロマの緩衝材のような雰囲気があるなと思ったんです。」

ハーブを勉強していくうちにエディブルフラワーを知った牧子さん。エディブルフラワー(食用の花)を生産する農家さんを何件か訪問したそう。

牧子さん「農家さんを訪ねてみると、各農家さんで特徴があるのですが、毒性がなく無農薬の植物であれば食用になることに気づきました。アロマやハーブでも薬効と毒のあるものは紙一重で色々つながってるなと思いました。そのときから生花→ハーブ・エディブルフラワー→アロマの説明がしやすくなり、自分のなかでそれらのつながりが明確になったと思います。」

その後、生花・ハーブ・エディブルフラワー・アロマのつながりを伝えるには、小さなイベントでは物足りなくなり「NEROLIDOL」をオープンしました。

NEROLIDOLのコンセプト

撮影:AGRI PICK編集部
生花・ハーブ・エディブルフラワー・アロマと植物に関するさまざまな知識を会得した牧子さん。NEROLIDOLでそれらをどう関係づけているのでしょうか。

NEROLIDOLという店名の由来

NEROLIDOL(ネロリドール)とは植物に含まれる成分名。植物はとても多くの成分で構成されています。店名には「NEROLIDOLも皆さんの生活の中で、幸せの一成分にになれたら…」という牧子さんの想いが込められています。そんな牧子さんの想いがつまった花束は、草花がメインの緑が多いのが特徴。生活に溶け込み、まさに「幸せの一成分」としてささやかな華やかさを与えてくれます。

植物のトータルプロデュースを提案

イラスト:写真AC 図:AGRI PICK編集部
牧子さん「植物には植物ごとに色んな成分がありますが、植物自身は生きるためにそれらの成分を自分で作り、活用していることを伝えたほうが分かりやすいと思ったんです。例えば、化粧品によく含まれているフランキンセンス。フランキンセンス精油は、樹脂から抽出されます。樹脂とは樹⽊を傷つけること出てくる樹液が乾燥したもの。樹脂には傷ついた自分の傷⼝を早く治すための成分などが含まれているので、解毒や浄化の作用が期待できます。私たちは、その成分を化粧品として活⽤しているんです。私たちは植物の色々な成分を抽出して、精油やハーブなどさまざまな形で使わせてもらっているだけで、元は一緒なんです。」

上記の図のようにアロマ、ハーブなどを単体でとらえるのではなく、植物として全体でとらえると草花の楽しみ方もより一層広がりますね。

知識を持ち帰り、選択肢が増える楽しみを感じてほしい

選べる何かを提案することで、アトリエに訪れる方の暮らしを豊かにしたいという牧子さん。

牧子さん「アトリエで開催している教室では、植物を暮らしに取り入れるために、知識を持って帰ってもらいと考えています。例えば、今はオーガニックブームですが『効能があるということは禁忌もあるということ』など大きなメディアでは伝わりきらないような知識です。知識を持つことは、その後の暮らしで色々な選択肢が増えて楽しみが増えますし、逆に危険を回避することもできます。普段の暮らしが少しでも増えたらうれしいと感じています。」

一度は参加してみたい!多彩なワークショップ

牧子さんの思考を凝らしたワークショップは、季節に合わせたテーマを毎回提案されています。ここではその一例をご紹介!お客さんのリクエストからできた教室などもあり、ほかのフラワーショップでは体験できないような本格的な内容が好評です。

ハーブブーケとハーブソルトの植物教室

ハーブブーケとハーブソルトの植物教室ハーブブーケとハーブソルトの植物教室
旬のハーブを使って、スパイラルで花束作り!同時に、お料理に使えるハーブソルトも作ります。

オーガニック精油でつくる香水教室

香水教室
精油をブレンドし、自分のための香水を作る教室。自分の作りたいテーマに沿って、香りを組み立てていくのが楽しいですよ♪

ハーブ製剤の植物教室

ハーブ製剤の植物教室
ハーブティー・ハーブカプセル・ハーブチンキ・ハーブ浸出油など、ハーブのさまざまな形の製材を作ります。作るだけでなく目的や用途も牧子さんが解説してくれます。

アップルミントとコスモスのガパオライスの植物教室

アップルミントとコスモスのガパオライスの植物教室
ただお花を飾るだけでなく、コスモスの風味を生かしたガパオライスを作ります。こちらもただ食べるだけでなく、エディブルフラワーの味や効能などを学ぶ教室です。

教室の申し込み方法

教室の申し込みは下記のメールアドレスから!ワークショップの開催予定はブログからご確認ください。
教室申込メールアドレス:nerolidol.flower@gmail.com

NEROLIDOLの基本情報

撮影:AGRI PICK編集部
営業日は公式HP、インスタグラム、フェイスブックでお知らせしているので、訪れる前にチェックしましょう!

アクセサリーやハーブティーを販売

牧子さんの手作りアクセサリー
撮影:AGRI PICK編集部
NEROLIDOLでは季節の花束、牧⼦さんの⼿作りのドライフラワーやプリザーブドフラワーを使ったアクセサリー、オリジナルブレンドハーブティーを販売しています。

 SHOP INFO

営業時間:11:00~18:00
定休日:日~火曜日、不定休(ブログで1カ月の営業日をお知らせしています)
教室開催日:不定期(HPや各SNSをチェック!)
住所:東京都世田谷区代沢4-42-10
アクセス:小田急線下北沢駅南西口/井の頭線下北沢駅中央口から徒歩約12分

official site:http://nerolidol-flower.com/
Instagram:https://www.instagram.com/makiko_nerolidol/
facebook:https://www.facebook.com/nerolidolflower/
Blog:http://nerolidol-m.jugem.jp/

NEROLIDOLとのコラボ連載をチェック!

NEROLIDOL季節の花束連載
撮影:AGRI PICK編集部
植物の知識はもちろんのこと、その伝え方についてもしっかりと考えを持たれている牧子さん。そんな牧子さんとAGRI PICKがタッグを組んで7月から新連載がスタートしました!少しでも興味を持った方はぜひ記事を読んで、季節の草花を暮らしに取り入れてみてくださいね!!

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AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。