目次
そもそもインパクトレンチって何?
エアーインパクトレンチの特徴
エアーインパクトレンチとは、エアーコンプレッサーによって作られた「圧縮空気」を利用したエアツールで、ボルトやナットを緩めたり、締め付けたりする作業に使われます。圧縮空気を利用するため、電動式のエアーインパクトレンチよりも大きなパワーを出せるのが特徴です。「エアー式」と「電動式」はどう違うの?
ただ、エアー式は少ない力で大きなパワーを発揮できます。電動式のパワーのある機種はサイズが大きいものが多いですが、エアー式はコンパクトなものでも大きな力を発揮できるものが豊富です。
トルクって何?
「トルク」は電動工具に触れる機会が少ない人には、なかなか聞きなれない単位ですよね。トルクは棒状の物体をねじる力を示すもので、単位にはN・mを使用します。トルクが大きくなればなるほどねじるパワーがアップするので、しっかりと締め付けることができます。トルクの大きさの違いによって締められるボルトのサイズが変わるので、締めたいボルトのサイズをしっかりとチェックするようにしましょう。エアーインパクトレンチの種類
エアーインパクトレンチとひと口に言っても、その種類はさまざま。ここでは、エアーインパクトレンチの種類について解説します。使用場所に見合った形状やハンマー構造など、作業の内容に適したものを選ぶと作業効率もアップしますよ!形状による種類
ピストル型
ストレート型
アングル型
Dハンドル型
ハンマー構造による種類
エアーインパクトレンチには「ハンマー」と呼ばれる部品が内部に搭載されています。ハンマーはモーターの力で回転し、エアーインパクトレンチの先端部分である「アンビル」を打撃する役割があります。打撃されることによってアンビルが回転し、締め付け作業が行われるのです。エアーインパクトレンチのハンマー構造は、下記のもの以外もありますが、ここでは代表的な構造を紹介します。シングルハンマー式
モーターの力でが1回転すると、1回打撃します。ハンマーは1つですが、打撃力が大きいので締め付ける力は強いです。ピンクラッチハンマー式
ハンマー1回転で1回打撃しますが、シングルハンマー式と比べると振動が少ない点が特徴です。トルクは高くなります。ダブルハンマー式
ハンマーが2つあり、モーターの力でハンマーが1回転するとそれぞれのハンマーが打撃するので、2回打撃することになります。より強力に締め付けされます。ツインハンマー式
ハンマーが2つある点はダブルハンマー式と同じですが、ハンマーは特殊な形をしており、モーターからアンビルに力を効率的に伝えられる点が特徴です。エアーインパクトレンチを選ぶポイント
エアーインパクトレンチは前途したように、形状とハンマー構造にさまざまな種類があります。ここではそのほかに選ぶポイントになる点を解説します!差込角
自分が締めたいボルトの差し込み角を確認し、適切なものを選びましょう。
※1:sqは二面幅の単位。二面幅は多角形の互いに平行な2面間の距離のことを指します。
最大トルクとボルトサイズ
ボルトサイズは写真の赤い箇所で示している部分で、単位はM。最大トルクと差込角、ボルトサイズの関係は以下の通りとなります。
差込角 | 最大トルク(目安) | ボルトサイズ(目安) |
9.5sq | ~199N・m | M5~14 |
12.7sq | 200~999N・m | M6~22 |
19.0sq | 1000~1999N・m | M10~30 |
25.4sq | 2000N・m~ | M22~30 |
空気消費量
空気消費量とはトルクを出すために必要とする空気量。大きなトルクを出すために多くの空気を必要とするエアーインパクトレンチがある一方、少ない空気で大きなトルクを発する製品もあります。省力化の観点から見た場合、空気消費量で選ぶ方法もあります。能力ボルト径
能力ボルト径は0.6Mpaの空気圧で締め付けることができる、ボルトの最大軸径を意味します。エアーインパクトレンチのおすすめメーカーは?
エアツールの専門メーカー「空研」
空研はエアツールの専門メーカーで、主力製品はエアーインパクトレンチです。ユーザーニーズの一歩先を行く製品開発を行っており、同社ならではのこだわりが感じられます。エアーインパクトレンチのラインナップは小型から超大型に至るまで幅広く、あらゆるニーズに対応しています!産業用エアーツールに定評「信濃機販」
信濃機販はエアツールに特化したメーカーで、特に自動車補修用、産業用エアーツールの分野において定評があります。そのほか、信濃機販では農機具用のエアツールとして、トラクターの爪交換用のインパクトレンチを取り扱っており、専門性の高い製品開発に力を入れています。OEM戦略による世界的な知名度「SP AIR」
SP AIR(エス・ピー・エア)は自社ブランド製品を開発しているほか、OEM戦略で世界の有名企業とパートナーシップを結んでいます。そのため、世界のエアツール市場において生産台数はトップクラスです。性能の高さはもちろんのこと、安全性や使いやすさにも配慮された製品がそろっています。高品質の工具で人気「KTC」
KTCは手工具の製造が主力ですが、動力工具としてエアーインパクトレンチの製造も行っています。KTCの製品は高品質であることで知られていますが、「高品質な工具作り」に対するこだわりはエアーインパクトレンチの製品開発にも活かされており、その品質の高さはユーザーも納得です。トルク管理機器の開発に強み「TONE」
トネ(TONE)はプロ向けの作業工具や動力工具、トルク管理機器の製造・開発を行っていますが、特にトルク管理機器の製品開発を強みとしています。その強みはエアーインパクトレンチの開発にも活かされており、使いやすさにこだわった製品を世に送り出しています。締付工具メーカーならではのノウハウが強み「ベッセル」
ベッセルはドライバーやビット、レンチなど締付工具に特化したメーカーです。手工具や先端工具の開発、製造に力を入れていますが、締付工具のノウハウを活かし、エアーインパクトレンチの開発も行っています。ベッセルのエアーインパクトレンチは機能性、デザイン性、安全性を追求したものとなっています。トルク別に紹介!おすすめのエアーインパクトレンチ15選
編集部おすすめのエアーインパクトレンチを、トルク別に紹介します。小型のボルトやナットの締め付け作業を行う場合は、低トルクのエアーインパクトレンチ、大型のボルトやナットには、ハイトルクのエアーインパクトレンチと、作業内容によって使い分けましょう。300N・m未満のエアーインパクトレンチ
1. 設定値に自動停止する「トルク調整タイプ」
普通ボルト径8~10mmに対応した、エアーインパクトレンチ。ボルトの性能を保持するためにも、トルク管理は大切ですが、この機種は設定したトルクで自動停止する「トルク調整タイプ」なので、トルク管理も確実です!2. 持ちやすく安定した作業ができる「ストレート型」
こちらはストレート型のエアーインパクトレンチで、一般的なピストル型と比べ持ちやすく、安定したバランスで作業がしやすいのが特長。オイル潤滑方式なので騒音も軽減されています。3. 「ツインハンマー式」で小型ながら十分なパワーを発揮!
全長126mmの小型機種で、狭い場所での作業に最適な一台。打撃方式は「ツインハンマー式」を採用しており、小型でありながら十分なパワーを発揮します。4. 狭い場所での作業に適した「アングル形」
すき間などの狭い場所での作業に適した、アングル形のエアーインパクトレンチ。コンパクトな形状ではありますが、最大トルクは250N・mと十分なパワーがあり、効率的に作業を進められます。300N・m~999N・mのエアーインパクトレンチ
5. 超軽量0.97kg!長時間の作業も楽々
わずか0.97kg!さらに全長133mmのショートボディで長時間の作業も疲れにくい、超軽量・コンパクトタイプのエアーインパクトレンチです。最大トルクは330N・mと十分なパワーで、作業性も優秀!6. 「ダブルハンマー式」採用で安定した作業が可能
打撃方式が1回転2打撃の「ダブルハンマー式」を採用。それにより最大トルクは約420N・mと十分なパワーを発揮します。締め付け作業が強力かつ安定的に行えます。7. 「ピンクラッチハンマー式」で、ハイトルクながら低振動!
最大トルク677N・mとハイパワーながら、打撃方式が「ピンクラッチハンマー式」のため、振動は控えめ。作業中は手に衝撃が伝わりにくく、安定した作業をサポートします。1000N・m~1999N・mのエアーインパクトレンチ
8. 最大トルク1100N・m !プロ仕様のインパクトレンチ
最大トルクが1100N・mに達する、プロ向けのエアーインパクトレンチです。トルクが高い一方で、重量は2.1kgに抑えられているため、作業を効率的に進められます。9. エアツールメーカー「空研」ならではの耐久性
最大トルク1100N・mとハイパワーですが、打撃が安定的であること、そしてエアー消費量が抑えられていることから効率性に優れています。耐久性の高さは、エアツール専門メーカー・空研ならではの性能です。10. 握りやすいソフトグリップで作業性向上
最大トルク1200N・mで25mmのボルトの締め付けに対応する能力を有しています。グリップは握りやすいソフトな素材で作業効率がアップ!11. 「ツインハンマー式」で、最大トルク1600N・mを実現!
打撃方式に「ツインハンマー式」を採用。最大トルクは1600N・mで、差込角25.4mmサイズの製品に匹敵します。本体には特殊強化樹脂を使用し、軽量化を実現しました。12. 1600N・mのハイトルクながら軽量化を追求
特殊強化樹脂ボディとマグネシウム系ハンマーケースの採用で、このクラスながら重量は3.2kgという軽さ。最大トルクは1600N・mで、大型バスやトラックのタイヤ交換にも対応します。2000N・m以上のエアーインパクトレンチ
13. 高トルク+ロングアンビルで作業性バツグン!
最大トルク2100N・mのハイパワー。先端のアンビルが長いため、重機や建設機械の整備など、ソケットを奥まで差し込んで作業する場面で活躍します。14. 最大トルク2450N・m!建設機械の分解作業にも対応
最大トルクは2450N・mを誇る、大型エアーインパクトレンチ。強力なパワーを発揮するため、大型バスやトラックのタイヤ交換のほか、建設機械やブルドーザーの分解作業にも対応します。15. トルクは最強クラスの最大2700N・m!
エアーインパクトレンチの中でも最強クラス!最大トルク2700N・mを誇る業務用モデルです。ロングアンビルを採用した全長656mmの大型サイズで、重機などの整備作業もスムーズに行えます。エアーインパクトレンチの安全な使い方
まずは安全点検!
エアーインパクトレンチを使う前は、インパクトレンチ本体に損傷がないかどうかをチェック!また、本体に取り付けられているネジが緩んでいないか、エアー漏れが発生しないかどうかも事前に確かめておきましょう。事前準備が大事!
あらかじめエアーインパクトレンチの空気消費量を確認しておきましょう。エアーコンプレッサーはパワーに余裕があるものがおすすめです。エアーホースは、エアー取り入れ口の大きさとインパクトレンチに適した内径のものを使用します。そのほか、レンチ内にオイルを注油してなじませておきます。エアーインパクトレンチの操作方法
レバーを握るとエアーインパクトレンチが回転します。ソケットはボルト・ナットをしっかり差し込んだ状態で回しましょう。エアーコンプレッサーの使い方に関しては、以下の記事を参照してください。