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きれいに塗装を仕上げるには、正しい道具選びや下地処理、塗り方をしっかりマスターするのが大事!この記事では、初めて塗装にチャレンジする方もきれいに仕上げられるよう、塗装の方法を中心に紹介します。
塗装の仕方にはどんな種類がある?
スプレー塗装|シュッと吹き付けるだけと手軽!
スプレー缶に入った塗料を吹き付けて塗装する「スプレー塗装」。木材家具や金属の表面など、比較的狭い面積の塗装に適しています。また、スプレー塗装はローラーや刷毛などの塗装道具が不要であるため、手軽に利用できるのが魅力です。スプレー塗装をする際のコツは、対象物からスプレー缶を30cm程度離し、端から端まで一定のペースでスプレーしながら、薄めに仕上げることです。3回程度重ね塗りするときれいに仕上がります。
スプレーガン塗装|車やバイクの塗装に最適!
「スプレーガン塗装」とは、エアーコンプレッサーとスプレーガンを使用し、圧縮空気を利用して塗装する方法のことです。空気が吹き出す力が強いことから、広範囲を塗装する場合に適しています。また、スプレーガン塗装は、正面や横、裏側などあらゆる面に塗りやすく、車やバイクの塗装などにも適しています。塗装の仕方はスプレー塗装とほぼ同様で、一定のペースでスプレーガンを動かしながらスプレーし、重ね塗りをして仕上げます。
ローラー|外壁など広範囲の塗装に
ローラーは円筒状の塗装具で、塗料が付着しやすいようにローラーの表面に繊維毛が植毛されている「ウールローラー」や、表面に細かい穴がたくさん空いていて塗料を含みやすい「砂骨ローラー」などの種類があります。ローラーが回転する分、刷毛で塗装するよりも広範囲の塗装ができます。また、スプレー塗装のように塗料が飛び散らないので、建物が密集している場所でも塗装ができます。外壁塗装はローラー塗装が一般的です。
ローラーとトレイの便利なセット
ローラーに塗料が均一につく、しごきネット付き
刷毛(ハケ)|細かい場所もしっかり塗れる!
刷毛は、狭い範囲の塗装や、材料の角や端の部分など細かい場所の塗装に適しています。ローラーは狭い箇所は塗りにくいため、刷毛でカバーする形です。刷毛にはさまざまなサイズがあり、比較的幅が広めのものや細めのものもあります。また、水性や油性を塗装できる多用途タイプや油性専用の刷毛などもあり、塗料によって使い分けることで、ていねいな塗装作業が可能となります。
使い分けに便利な3本セット
塗料の移し替えに
塗料の種類や選び方は、こちらの記事でくわしく紹介しています!
きれいな塗装の基本!古い塗装の剥がし方
塗るだけで塗装が剥がれる「剥離剤」
剥離剤は、塗装を剥がすための液剤、またはスプレー剤のことをいいます。塗付すると、剥離剤が塗膜の内側に徐々に染みこんでいき、塗膜が柔らかい状態になったり、または塗膜を溶かしたりしながら塗装を剥がしていきます。手作業で古い塗装を剥がすと手間がかかりますが、剥離剤を使えば、塗付したあとに時間をおくだけで塗装が剥がれるのでとても簡単です。
古い塗装をはがせる「剥がしヘラ」
塗装剥がしは、剥離剤を使用するほかに「剥がしヘラ」を使う方法もあります。先端部分に金属製のヘラがついており、古い塗装にヒビが入っている箇所や、剥がれやすくなっている部分をヘラでこすると塗装が簡単に剥がれます。DIYでLet’sペイント!塗装の仕方を工程順に紹介
Step1. プライマーで下地処理
まずは、塗料を素材に付着しやすくするための土台づくりである「下塗り」という作業を行います。木材は塗料を吸収しやすい性質があるため、塗料の付きを良くするためにはプライマーが必要となります。なお、プライマーは「シーラー」とも呼ばれます。プライマーは、材質に塗料を付着しやすくするための「土台」の役割を果たしています。塗料を吸いやすい材料に直接塗装するときれいになりにくいですが、プライマーで下地処理を行えば、塗料の吸い込みが防げるため、きれいに仕上がりやすくなります。
Step2. マスキングテープ、マスカーで養生
塗装をする際、塗料をつけたくない箇所を保護するために「養生」を行います。養生するときは、塗装する部分と塗装しない部分の境目に「マスキングテープ」を貼って目印をつけ、その上に「マスカー」を貼っていきます。塗装しない部分に目印として貼る「マスキングテープ」
余計なところに塗料が付かないよう、塗装しない部分の目印として貼るのがマスキングテープです。テープを貼るときは、塗料が入り込まないようにテープをしっかりと密着させましょう。塗料の付着防止に使用する「養生マスカー」
塗装をするとき、塗料を付けたくない範囲に使用します。布テープの下にビニールが付いているので、壁面や床面などの広い面を保護できます。マスキングテープで目印を付けた上に、マスカーを貼っていきます。Step3. いよいよ塗装!
ローラーや刷毛できれいに塗装する際のポイントは、塗料を付け過ぎないこと。付け過ぎると塗料が垂れてしまったり、塗装したときにムラができやすくなったりします。塗料を適量の状態にして、まっすぐ上下、または左右へと塗っていきましょう。素材の真ん中のあたりから塗り始めると塗りやすくなります。油性塗料やラッカーが塗りにくい場合は?
油性塗料やラッカー塗料を使用する場合は、うすめ液を使用します。塗料が塗りにくい場合に少量ずつ加えていき、多少粘り気のある程度になるまで薄めます。油性塗料には「ペイントうすめ液」を、ラッカー塗料には「ラッカーうすめ液」を使用しましょう。なお、水性塗料は水で薄められます。Step4.重ね塗りで美しく!
塗装をきれいに仕上げるための基本は「重ね塗り」です。1回の塗装でも見た目には問題ありませんが、塗膜が薄い状態であるため、長期的にみると塗装がはがれやすくなります。2回以上重ね塗りを行えば、塗膜が厚くなるため、塗装が長持ちします。なお、重ね塗りは1回目の塗装が乾いた時点で行いましょう。塗料の缶に乾燥時間の目安が記載されていますので、参考にしてください。
木材に塗装するときのポイントはこちら。金属に塗装するならこちら。
室内の吹き付け塗装に欠かせない「塗装ブース」
塗装ブースとは?
室内で吹き付け塗装やスプレー塗装を行うと、塗料が周囲に飛び散ったり、臭いが残ったりするのが気になりますよね。そこで利用されるのが塗装ブース。プラモデルやラジコンなどホビーに使われる小型のものが多く、塗料の飛散を防ぐための仕切りやファンのついた吸気口が装備されています。ファンで塗料の飛散成分を吸引!塗装中も安全、安心
室内でスプレー塗装をするなら必須のアイテム!ツインファンによる強力な吸引力で、室内に塗料の成分や臭いがこもるのを防ぎます。マスクを着用して、塗料をシャットアウト!
スプレー塗装をするときには、できることならマスクを着用したいところ。塗装専用のマスクは、有機ガス用吸収缶が付属しており、有機溶剤から発生するガスを取り除く働きがあるため、安全に作業が行えます。塗装ブースを自作して費用を抑えよう!
主な材料
・プラスチック製収納ケース(透明タイプ)… ブース本体、塗料の吸入口として使用※収納ケースの外寸目安:幅430×奥行280×高さ150mm(材料費目安:300円)
・小型の換気扇(浴室用換気扇など)… スプレー塗料の吸い込みに使用(材料費目安:約5,000円)
・フィルター … 換気扇を保護するために使用(材料費目安:約500円)
・ダクト … スプレー塗料を屋外に排出するために使用(材料費目安:約1,000円)
材料費の合計目安:約6,800円
塗料ブースの作り方
Step1. プラスチックの収納ケースに穴を開ける
プラスチック製収納ケースを用意し、底面の部分にダクトが入る程度(約10cm)の穴を開けます。Step2. ケースにダクトを通し、換気扇とつなぐ
プラスチック製収納ケースの穴にダクトを通し、ダクトと換気扇をつなぎます。ダクトは窓の外に出しますが、虫などの侵入が気になる場合は、窓のすき間にPPプレートなどを貼っておきましょう。Step3. フィルターを取付ける
換気扇が塗料で汚れるのを防ぐため、フィルターを取り付ければできあがりです!DIYに自信のある方なら、意外と簡単にできそうですね。なお、上記で説明した材料と作り方は簡易的なものです。より使いやすくするために、部品を追加したり、作り方をアレンジしたりするなどして、いろいろと工夫してみましょう。
参考:アメーバブログ「hit manの独白日記」