目次
塗料の種類・特徴は?
塗料の種類
耐久性・耐候性に優れた「油性塗料」
油性塗料は、耐久性・耐候性に優れている点が特徴です。屋外にある木材や鉄製品などに塗付することで、それぞれの素材を強い日差しや雨風から保護します。油性塗料は、水性塗料と比べて匂いが強めであるため、対象が屋外にある場合に適しています。油性塗料を薄める場合には「ペイントうすめ液」を使用しましょう。水で薄めて手軽に使える「水性塗料」
水性塗料は、油性塗料と比べると匂いがさほど強くない点が特徴です。そのため、塗装する素材が屋内にある場合に適しています。水性といっても、完全に乾燥すると水をはじくため塗料としての性能も十分です。ただし、油性塗料と比べると塗料が素材に付着しにくいため、重ね塗りをしたほうがきれいな仕上がりとなります。「塗料」は「ペンキ」とは違う?
「塗料」英語では”paint coating”
塗料は、英語で”paint coating”と表現することもあり、色を付けるだけでなく「コーティング」、つまり「保護する」機能を持っているものを指します。保護の性能を高めるため、塗料には各種の樹脂や溶剤、顔料などが含まれています。現在市販されているものの大部分は「塗料」です。「ペンキ」英語では”paint”
ペンキは、英語では”paint”と表現しますが、厳密には「オイルペイント」のことを指します。オイルペイントとは植物油で希釈する油性の塗料で、塗膜はやや厚めとなりますが、乾燥するまでに時間がかかるうえに、塗料のような保護性能を有していないことから、現在ではほとんど使用されていません。調合して使う「2液型塗料」には、硬化剤が必須!
塗料には「1液型塗料」と「2液型塗料」があります。1液型塗料とはそのまま使える塗料のことで、時間が経つと硬くなる性質を持っています。DIY向けの塗料のほとんどは1液型塗料です。2液型塗料は、主材と硬化剤を混ぜて使用する塗料のことです。主材はそのままだと硬くならないため、硬化剤を混ぜることで硬くなる性質を持っています。2液型塗料はプロが使用することがほとんどですが、DIYでは釣り竿用の塗料に使用されます。釣り竿には「しなり」がありますが、主材と硬化剤を混ぜ合わせることにより、しなる部分に強い塗膜が形成されるためです。
ロッド専用ウレタン塗料
ロッド(釣り竿)専用の塗料です。しなりに強い性質を持っています。ロッド専用ウレタン塗料 うすめ液
ロッド専用ウレタン塗料を薄める液剤です。使用条件に適した気温で使用しましょう。塗料といえば?代表的な塗料メーカー
関西ペイント
「カンペ」の通称や「アレスコ(ALESCO)」のブランドでも知られる「関西ペイント」。国内の塗料業界において売上トップで、特に自動車向けの塗料販売に力を入れています。家庭向けの塗料は、グループ企業の「カンペハピオ」が販売しており、関西ペイントが長年培ってきたノウハウを活かした品質の高い塗料を提供しています。日本ペイント
「ニッペ」の愛称で知られる「日本ペイント」は、建築物や土木建造物など建設用の塗料を主力としており、塗料業界の売上は関西ペイントに次いで国内第2位。グループ企業の「ニッペホームプロダクツ」が、家庭向けの塗料「ニッペホームペイント」を販売しています。大日本塗料
塗料業界の売上国内第3位の大日本塗料、通称「DNT」の強みは、厳しい環境に長期間耐えられる塗装技術の「重防食技術」。塗装した素材をしっかりと守る品質はトップクラスです。塗料を購入できる販売店は?
ここでは塗料を扱っている販売店をご紹介します。
DIY向けの塗料がそろう「ホームセンター」
DIY用に塗料を探すのであれば、ホームセンターがおすすめです。ホームセンターで取り扱う塗料は、1~7L程度の手頃な容量のものがメインで、幅広い色がそろっています。また、ハケやローラー、うすめ液など、一通りの道具も手に入るので、初めて塗装に挑戦するという方にもおすすめです。プロ向けの塗料が充実の「塗料店」
プロ向けの塗料が充実しているのは塗料店です。建築用塗料や自動車用塗料、工業用塗料などをメインに取り扱っています。また、塗料店では、希望する色を必要なだけ作る「調色」のサービスを行っている場合があります。現場でスムーズに作業ができるようにサポートするのが塗料店の役割です。自宅にいながら購入できる「通販」
塗料は実店舗だけでなく、通販で買うのもおすすめ。店頭では陳列スペースに限りがあるため、必ずしも欲しい商品が並んでいるとは限りませんが、通販ならスペースの制約がない分、品ぞろえが豊富です。また、重い塗料を自宅まで届けてくれる点もメリットと言えるでしょう。あらかじめ知っておきたい!塗料の選び方
後ほど「用途別おすすめ塗料」をご紹介しますが、塗料の選び方に関する知識として「塗装の目的」についてあらかじめ理解しておきましょう。
塗装の目的を理解しよう!
塗装の目的を大きく分けると以下の3つとなります。・素材の見た目を良くする → 色を付ける、つやを出すなど
・素材の腐食を防ぐ → 木材の腐食防止、鉄のさび防止など
・素材に新たな機能を付け加える → 耐熱性を高める、耐水性を高めるなど
塗料を塗付すると、素材の外観が美しくなるだけでなく、長持ちしやすくなるメリットがあります。
用途別おすすめ塗料
屋根を雨風や直射日光から守る!トタン屋根用塗料
トタン屋根を塗装するには「トタン屋根用塗料」を使用します。屋根用の塗料は塗膜がしっかりとしているため、雨風や直射日光からトタン屋根を守ります。アクリル樹脂やシリコン樹脂を使用している塗料は、乾燥が早いことも特長です。ニッペ 油性塗料 高耐久シリコントタン屋根用
・用途:屋根、とい、下見板、ひさしなどのカラートタン、トタン板の塗り替え
・容量:7kg
・カラー:グレー
・塗り面積:約75平方メートル/タタミ約45枚分(1回塗り)
・うすめ方:ペイントうすめ液(目安 5~10%以内)
・その他性能:さびの上から直接塗装が可能
・容量:7kg
・カラー:グレー
・塗り面積:約75平方メートル/タタミ約45枚分(1回塗り)
・うすめ方:ペイントうすめ液(目安 5~10%以内)
・その他性能:さびの上から直接塗装が可能
金属に塗装するときの手順やコツはこちらを参照。
木材を保護して長持ちできる!ウッドデッキ用塗料
ウッドデッキの塗装に適しているのは「木部保護塗料」です。木部保護塗料は、木材の腐食や虫による害を防ぐのはもちろんのこと、紫外線を防ぐ効果も期待できます。木部保護塗料を使って、ウッドデッキを長持ちさせましょう。木材に塗装するときの手順やコツはこちらを参照。
耐久性に加え、防汚効果も!外壁用塗料
外壁は、雨風や直射日光にさらされるだけでなく、排気ガスなどの汚れもつきやすくなります。そのため外壁を塗装するには、耐久性と防汚効果があり、色合いや風合いを保ちやすい性質を持つ「アクリルシリコン塗料」がおすすめです。外壁の塗り方はこちらを参照。
DIYで車を塗装!車用塗料
車の全塗装はDIYでは難しいように感じられますが、スプレーガンやハケ、ローラーを使って塗装が可能です。専門の業者に依頼するよりも低コストで済むのも魅力。こちらの塗料は、レトロな雰囲気に仕上がるマットタイプ。豊富なカラーバリエーションから好みの色が選べます!「MAT.SELECT」専用シンナー
上記の塗料「MAT.SELECT」の伸びを良くし、塗りやすくするための専用シンナー。小物の塗装に便利!スプレー塗料
手軽に塗装をするなら、シュッと吹き付けるだけのスプレー塗料がおすすめです。スプレータイプの塗料は、表面はもちろん、刷毛などでは塗りにくい側面や裏面までまんべんなく塗装できるのが特長。小物の塗装にも便利です。ほかにもいろいろ。目的に応じて塗料を選びましょう。
「塗料用シンナー」「うすめ液」とは?
油性塗料の希釈や道具の洗浄に「ペイントうすめ液」
ペイントうすめ液は、油性塗料の希釈に使われる有機溶媒です。塗料の粘りが強く、塗りにくいときや、油性塗料のペイントに使った筆などを洗う場合にも使われます。ラッカー系塗料の希釈に「ラッカーうすめ液」
ラッカーうすめ液は、ラッカー系塗料を希釈する有機溶媒です。ラッカー自体が揮発性が高いこともあり、乾燥が早いことが特徴。ラッカーうすめ液で薄める塗料の一例としては、ホビー用の工作用塗料があります。注記:塗料用うすめ液は、それぞれの塗料によって種類が異なります。塗料の容器には指定のうすめ液が記載されていますので、事前に確認しましょう。誤ったうすめ液を使用した場合、塗料としての性能が低下するだけでなく、固まって塗れなくなることがあります。
塗料剥離剤・はがし液で、古い塗装を落とす!
注記:
・塗料剥離剤を使用する場合は、手を保護するため耐溶剤性の手袋を着用してください。
・塗料の種類により、塗装がはがれない場合があります。
余った塗料はどうする?塗料の廃棄・処分方法は?
新聞紙に塗って乾燥させる
塗料の適切な処分方法は、新聞紙に塗って乾燥させることです。塗料は液体のままでは処分できませんが、新聞紙に塗った状態で乾燥させれば、燃えるごみとして出すことができます。塗料処理剤を使用する
少量の塗料であれば、新聞紙に塗って乾燥させることで処分できますが、ある程度まとまった量を廃棄したい場合は「塗料処理剤」を使用する方法があります。塗料処理剤は塗料を固めて処分するので、水性・油性塗料だけでなく、ニスやうすめ液なども処分できます。塗料を調色してオリジナルの色を作ろう!
調色は日本塗料工業会の「色見本帳」を参考に!
日本塗料工業会が発行している色見本帳は、多様な色をアルファベットと数字で表しています。つまり、色見本帳に記載されている記号がわかれば、記号の内容に基づいて調色することができるのです。色見本帳に掲載されている色は、建築物や各種設備、インテリア、エクステリアなどさまざまな分野で活用されており、2019年版には、新色60色を含めた654色が収録されています。調色はどのようにして行う?
色見本帳の記号は、あくまでも色を説明しているだけのもの。記号通りの色を忠実に再現するためには、豊富な経験と技術が要るため、調色は塗料店に依頼するのが無難です。塗料店ではプロ向けにさまざまな色を調色しているので、あらゆる色に対応しています。なお、塗料店に調色を依頼する場合は、4Lなど、ある程度まとまった量の注文をしなければならないケースがほとんどですので、店舗に確認してみましょう。