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ライター - murasaki
DIYなどのものつくりや植物系のガジェットが好き。
屋上で菜園をしたり、自作器具で水耕栽培をしたりしています。…続きを読む
キッチンやリビングで!サラダをリビングで育てる生活

撮影:murasaki
最近よく見かけるようになった水耕栽培。土を使わず虫なども付きにくいので、野菜や薬味をリビングやキッチンで育て、その場で採って料理に使うなんて生活ができるかも。
今回は「リビングやキッチンに置ける水耕栽培をMakeする」というテーマで、生活に違和感なく溶け込む水耕栽培器を作っていきます。
どんな水耕栽培器がいいの?
では、どんなタイプの水耕栽培器がキッチンやリビングにふさわしいのでしょうか?実際に作りはじめる前に市販の水耕栽培器を見て考えてみましょう。
水耕栽培器のタイプ
水耕栽培器にはたくさんの種類がありますが、特に注目したい違いは以下の3つ。
1. ライトがあるかないか
グレードの高いものは、植物育成用のLEDや蛍光灯が付いています。植物にとって光はとても大切で、育成具合に大きく影響します。光が不足しがちな室内ではあったほうがいいです。しかし一方で電気代がかかる、水耕栽培器自体が高額になるというデメリットもあります。
2. ポンプが付いているかいないか
光とともに重要なのが根から酸素を取り入れられるかどうか。ポンプやエアレーションによってより元気に植物が育ちます。ただし、電気代がかかる、水耕栽培器自体が高額になる、音がうるさいというマイナス面もあります。
3. 周りが覆われているかいないか
透明な箱に入れられているタイプの水耕栽培器もよく見られます。より清潔に育てられ、温度や湿度も調整しやすいですが、収穫などにひと手間かかります。
例えば下の2つの商品を比較すると、GreenFarmにはすべての機能がありますが、育成ココベジキットにはどれもありません。水耕栽培器といっても色々なのです。
U-ING GreenFarm 水耕栽培器
室内用の水耕栽培器。LED付きで、葉物約10株程度が育てられます。エアポンプで水に空気を送る方式。
サイズは横490×奥行260×高さ300mm。
水耕栽培 育成ココベジキット
電気を使わない、シンプルな水耕栽培器。土の代わりに水とハイドロボールを使って育てます。液体肥料付き。
リビング・キッチンにふさわしい水耕栽培器はこれだと思う!
さて、リビングやキッチンにぴったりの、水耕栽培器とは?
光量が足りなくなりがちなリビングやキッチンなので①ライト付きで、生活空間なのでうるさくないように②ポンプなしで、すぐに使いやすいよう③オープンタイプ。この条件を満たしたものがリビングやキッチンで使いやすいのではないでしょうか?
また、重視したいのが「収穫後の再セットのしやすさ」。収穫後の水耕栽培器は藻等で汚れ、次に使う前には洗う必要があります。この洗う作業に手間がかかると、1回やってみた後放置しがち。そのため、④汚れる部分は取替式、が理想!では、そんな水耕栽培器を実際に作ってみます。
キッチンやリビングに!水耕栽培器を自作してみよう

撮影:murasaki
リビングに置いておくとまるでサラダのよう!育つ様子も楽しい、水耕栽培器を作ってみました。速くたくさん育てる植物工場とは違い、食べる分だけ楽しみながら育てる水耕栽培器です。
器の用意

撮影:murasaki
器は防水性のものなら何でもかまいません。写真は100均で買った食べ物を持ち帰るときのトレイ。薄いので2重にしています。そしてポイントは、外に木製のカバーを付けるところ。見た目が良くなるだけでなく、光を遮って中に藻が生えるのを防いでくれます。

撮影:murasaki
次に作るのはふた部分。穴をあけて、底に植物を植えていくために使います。外周は器の大きさより一回り小さくカット。内側に、植物を植えるための直径2cm程度の穴、それにカバーを開けやすいように指をひっかけるためのへこみを作ります。

撮影:murasaki
素材は安くて掃除がしやすく、そして加工も比較的簡単なプラ段ボールがおすすめです。カッターやハサミで切れます(今回はレーザーカッターを使いました)。
器はこれだけでOK!作りは簡単です。
スポンジに種をまく

撮影:murasaki
さっそく種を準備しましょう。食器用のスポンジを使う場合、固い部分を剥がし、3cm角ほどに切って1cm程度の切れ込みを入れます。切れ込みに種を2粒程度埋め込んでいきます。
植物は、ハーブやガーデンレタスなどの葉野菜が育てやすいです。
養液を作る

撮影:murasaki
植物の栄養となる養液を作ります。
器にカルキを抜いた水を入れます。カルキを抜きを使うか、一度沸騰させた水、1日ほどおいた水を使います。水道水をそのまま使っても大きくは影響しませんが、より根が健康的に育ちやすくなります。

撮影:murasaki
そして、トレイに水耕栽培用の液体肥料を入れます。私のお気に入りのハイポニカは、A液とB液を混ぜる形式です。

撮影:murasaki
ハイポニカの場合、500倍に薄めます。1Lの水が入っているので、2mlの液肥を入れ、よく混ぜます。100均などにある化粧品用の注射器型のスポイトを使うと量りやすいですよ。
スポンジを器にセット

撮影:murasaki
器の穴に水を染み込ませたスポンジをセットしていきます。水の中でスポンジをつぶすようにして水を吸わせます。

撮影:murasaki
これでできあがり!
ライトをセット

撮影:murasaki
室内で育てる場合、光量が足りなくて育たないことが多いです。そこで、植物育成用のライトを使ってあげましょう。写真では青く見えますが、実際には少しだけ紫がかった白い光です。

撮影:murasaki
今回はこちらの植物育成灯を使いました。植物育成用の照明は濃い紫のものが多く、かなり強烈な色味です。でも、この商品は一般的な照明より植物の育ちやすい波長の光ながら、白に薄い紫色の光なのでリビングやキッチンでも使いやすいです。
芽が出てきたら

撮影:murasaki
芽が出てきたらしてあげたい作業が、根元のガードです。スポンジが出ている部分は藻が付きやすいです。生えても問題はないのですが、せっかく清潔に育てられる水耕栽培なのだから、きれいに育てたいですよね。防草シートでスポンジ部分を隠してあげるといいでしょう。
育ったら間引き、収穫

撮影:murasaki
だんだん育ってくるので間引き、収穫をします。長く楽しみたいなら、外側の葉を数枚つまみ、新しい葉と芽を残しておくといいですよ。
使った材料
おしゃれな木のボウル
カバーとして使ったのは直径約20cmの木のボウル。お気に入りの陶器のお皿やポットを使っても。下の商品は実際に使ったものではありませんが、同じサイズ感で、評判のいい木のボウルです。
アカシアラウンドボウル
直径約20cmの大きめの木製ボウルです。アカシア製で風合いよく丈夫。職人が天然木から削り出して作っています。
水耕栽培用ライト
植物育成用のライトは高価なものが多い中、こちらの商品は比較的お手頃価格。また、光の色も赤みが強過ぎないので使いやすいです。
植物育成用クリップランプ
植物育成に適した波長の光を出すランプです。植物を効率に育てられる、青と赤の光を多く含みます。防水なので、屋外でも使用できます。
使い捨て食品保存容器
ダイソーで購入した直径15cm程の使い捨ての食品容器を使いました。カバーとして使う入れ物の中に入る大きさで、プラスチック素材であればOKです。
スポンジ
スポンジは食器洗い用のものを固い部分を剥がして使っても良いですし、水耕栽培用のものを購入すると手間がかかりません。
水耕栽培用スポンジ
切り離して使える水耕栽培用スポンジ。種の位置にくぼみがあるタイプと切り込みになっているタイプがあります。自分でスポンジを切る手間なく簡単に使えます。
プラスチック段ボール
プラスチック段ボールは水に強く、安価で加工しやすい素材です。ホームセンター等で販売されています。光を通しにくい色が好ましいです。
水耕栽培用肥料
肥料は植物の栄養となる大切な要素。土の植物用の液肥ではなく、水耕栽培用のものを使いましょう。こちらはレタスからトマトまで実績のある水耕栽培用の液肥で、よく使われています。
ハイポニカ液体肥料
A液とB液を混ぜ合わせ、水で薄めて使う液体肥料です。水耕栽培の場合は500倍に薄めます。花や葉物野菜、果菜などさまざまなものに使えます。
キッチンカウンターでレタスが育つ生活を

撮影:murasaki
「ちょっと薬味が足りないから採ってきて~」「色合いが足りないからちょっとレタスを収穫してオン!」なんて生活が、庭がなくてもできてしまう水耕栽培生活。育つ様子が毎日見られるのも楽しいです。クリーンな野菜栽培、やってみませんか?