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室内にも置ける!段ボールコンポストを自作してみた


生ごみを肥料に変えるコンポスト。室内でも使える、臭いが少ない段ボールコンポストを作ってみました。所要時間20分ほどで簡単に作れ、しかも不要品の段ボールを使えばいいから低コスト。そんな段ボールコンポストの作り方を、写真付きで紹介します!コンポストがあれば、毎日の生ごみや菜園から出るごみを肥料にして、また菜園に生かすことができます。お得で、しかも自然にやさしい生活に。

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murasaki

DIYなどのものつくりや植物系のガジェットが好き。 屋上で菜園をしたり、自作器具で水耕栽培をしたりしています。…続きを読む

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生ごみや菜園のごみ、もったいない!!ならコンポスト

出典:写真AC

自家製堆肥が作れるコンポストを自作!

我が家では肥料や土をわざわざホームセンターで買っていますが、買わずとも日々のごみから作る方法があります。それがコンポスト。生ごみや、栽培した植物のゴミを微生物の力を借りて分解し、堆肥化する容器です。今回、日々無駄に捨てていたゴミを野菜の肥料に生まれ変わらせるべく、コンポストを作ってみることにしました。

コンポストというと臭いとか虫が湧くというイメージがありますが、そういった失敗が起きにくく、かつ作りやすいと評判の「段ボールコンポスト」をセレクト。虫を湧かせたくないので室内置きに、それなら段ボールそのままだとちょっとかっこ悪いな、ということで形も少しかわいらしく!キッチンに置けるコンポストができあがりました。

段ボールコンポストとは?

段ボール箱を入れ物にした生ごみ分解器です。段ボールの箱に基材を入れるだけで簡単に作ることができます。段ボールは通気性が良く、余分に出た水分を調整してくれるので、生ごみを分解する微生物が活動しやすいんです。臭いも少なく、スペースもコストも小さくて済む、今では定番となったコンポストの方式です。何回か行っていますが、一度も臭いが出たり虫が湧いたりということはありませんでした。

冬は微生物の活動が弱まるため、分解は遅くなりますが、ごみの腐敗や虫の発生も起きにくいため、段ボールコンポストを始めやすい季節でもあります。簡単にできるので、ぜひやってみてください。

室内にも置ける!段ボールコンポストの作り方を解説!!

撮影:murasaki
というわけで段ボールコンポストを作ってみました。でも、ただの段ボールのままでは出し入れが面倒なのと、家人に嫌がられるため、上の写真のような家型に。片側の屋根を持ち上げると開き、普段は磁石でピタッと閉じられます。さらにペイントしたりマスキングテープを使ってよりかわいくデコレーションしてもいいですね。

材料

撮影:murasaki
用意するのは段ボール2箱と基材、それにガムテープとカッターなどの道具。段ボールは箱として使う分と、二重底やふたに使う分の二つ用意します。基材はさまざまなものが使われますが、私はピートモスと木炭を使いました。また、木炭より細かい、もみ殻くんたんを使うのもおすすめです。量は段ボールの半分~2/3ほどの容量を用意し、ピートモス3:木炭2ほどの割合で使います。例えば、一般的な30L程度のミカン箱であれば、ピートモス12L、木炭8Lが必要です。

段ボールコンポストにちょうどいい量のピートモス。土壌改良剤としても利用できます。

瀬戸ヶ原花苑 ピートモス 10L

・内容量:10L

小分けで買えるもみ殻くんたん。水はけ、通気性が良く、土壌改良に利用できます。

平和 くん炭

・内容量:2L


二重底で補強

撮影:murasaki
箱が破れないよう、底をガムテープでHの字でしっかりと止めます。生ごみを入れ始めてから底が抜けると悲惨なのでしっかりと。

撮影:murasaki
底は土の重量がかかり、水分を吸いやすいので一番壊れやすいところ。二重底にして補強します。箱として使わない方の段ボールを底より少し大きく切り取り、底と同じ大きさになるように折ります。こうすることで、より土が漏れにくくなります。

撮影:murasaki
作った底板をはめ込み、箱の内側にガムテープでしっかりと止めます。これで基本の形はできあがりです。大きい箱を使う場合など、より強度が必要な場合には段ボール箱全体を二重にしましょう。

形をアレンジ

撮影:murasaki
段ボールそのままでもいいのですが、使いやすく、かつかわいくするために家型に形をアレンジしていきます。段ボールの耳の真ん中に印をつけ、山型にカットします。

撮影:murasaki
反対側も同じようにカットします。家っぽい形になりましたね。

撮影:murasaki
一方の耳を、カットした山形に添うようにガムテープで止めます。残った耳の一方を少しだけ残して切り取り、同じように止めます。ガムテープを張って補強します。

基材を投入

撮影:murasaki
ピートモスです。ミズゴケなどが堆積した泥土を乾かしたものだそう。園芸店やホームセンターで土壌改良剤として売られています。普通の土よりも、ふわふわとした感触です。

撮影:murasaki
ピートモスを入れていきます。目安としては箱の半分くらい。

撮影:murasaki
そして木炭。細かく砕かれています。

撮影:murasaki
こちらも投入。ピートモスと合わせて、箱の半分~8割程度の深さまで入れます。

撮影:murasaki
しっかり混ぜれば基材のセットは終わり。

ふたを付けたら完成!

撮影:murasaki
最後に、二つ折りにした段ボールを載せ、両面テープで貼ってふたにします。屋根の片側だけ止めることで、パタパタとふたを開け閉めできるようになり便利です。さらに、100円ショップなどで手に入るテープ式の磁石をふたと本体に貼れば、普段はきちんとふたをしつつ、使う時には簡単に開くことができます。

撮影:murasaki
通気性をよくするため、板や台を使って床から少し離して設置します。置く場所は部屋の中や、雨の当たらない屋外など。生ごみが多すぎなければほとんど臭いは発生せず、土の匂いがします。虫の侵入のしにくさや、毎日のゴミ捨てのしやすさを考えると室内がおすすめです。

使い方は簡単!さっそく使ってみよう

撮影:murasaki
実際に生ごみを投入する前に、水を入れます。こうすることでごみを分解してくれる微生物が増えるのに適した環境に。握ると水分を感じ、軽く固まるけれど水は滴らないくらいが適量です。

撮影:murasaki
あとは生ごみを足していけばOK。野菜の切れ端や肉、魚、廃油などを入れられます。水分が多いものは水を切ってから入れましょう。ビニールや塩分の多いものは入れないようにすること。骨や卵の殻、玉ねぎの皮などの繊維質のものは分解に時間がかかります。

撮影:murasaki
ごみを入れたら基材に混ぜ込みます。表面に生ごみが出ているとコバエ発生のもとになるのでしっかりと。また、分解に働いてくれる微生物は空気が必要なため、生ごみを入れない日でも、毎日かき混ぜる方が好ましいです。

微生物が元気に働いているコンポストは分解時の熱で暖かくなります。微生物に餌をやるような感覚で、ごみを足していきましょう。分解されるとゴミは小さくなるため、なかなかいっぱいにはなりません。2週間ほどごみを投入していますが、元の量とほぼ変わっていないように見えます。

毎日足していって、箱がいっぱいになったら2カ月ほど寝かせば、自家製肥料として使うことができます。

始めたいけど作るのが面倒!という人はセットもあります

段ボールコンポスト、興味はあるけど作るのがちょっと面倒、というに人は市販のセットがおすすめ。段ボール容器はもちろん、基材やシャベルまで付いていて、とってもお手軽に段ボールコンポストが始められます。

生ごみゼロ・トライアルキット-W

・分解方式:段ボールコンポスト
・容量:24L
・サイズ:幅29cm×奥行29cm×高さ29cm
・参考価格:5,500円前後

臭い?分解が遅い?困った時の対策

出典:写真AC
段ボールコンポストは比較的失敗しにくいコンポストですが、それでも「うまくいかないな」ということはあると思います。そんな時の対策をまとめました。

腐ったような臭いがする

水分が多かったり、生ごみの量に分解が追い付いていないときに起きることが多いです。臭いがし始めたらしばらく生ごみを入れるのをやめ、基材を追加します。臭いがしなくなったら再び生ごみを入れて構いませんが、よく水を切ってから入れるようにしましょう。

虫が湧いた

段ボールの隙間はしっかり閉じ、ふた部分にさらに防虫ネットをかけるなどの対策をしましょう。また、微生物の活動を活発にし、温度を高く保つことで虫の発生を抑えられます。すでに湧いてしまった場合には、基材を段ボールから取り出し、黒いごみ袋に入れて外に1週間ほど置いておけば虫を殺すことができます。

温度が上がらない、なかなか分解されない

温度が低いと微生物の活動は穏やかになります。また、野菜くずなどばかりでも温度は上がりにくいです。そういった場合は、廃油や米ぬかなどを入れることで温度が上がりやすくなります。また、水分不足になっていないか、攪拌して空気をしっかり送っているかも大切です。

コンポストは奥深い!

今回は段ボールコンポストを作りましたが、コンポストにはほかにもさまざまな方式があります。寝かせる期間が要らないミミズコンポストや、ほぼ密封の嫌気性菌を使った方式など。

興味がわいた方はこちらの記事でほかの方式も調べてみてください!

段ボールコンポスト、順調です

段ボールコンポストを作って2週間ほど経っていますが、特に臭いや虫もなく順調です。数カ月後にはこの堆肥を使って野菜が作れるといいなぁ。とても簡単に始められ、ゴミも減るコンポスト。ぜひ挑戦してみてください。

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