目次
-
- Akiko Isono
編集者兼ライター。家庭菜園・ガーデニング専門誌の編集に8年間携わり、現在は雑誌やムック、WEBを中心に、植物、農業、環境、食などをテーマとした記事を執筆。好きな野菜はケールとにんじん。…続きを読む
冬野菜は大型で重量のあるものが多く、保存の仕方はちょっとした悩みのタネ。常温や冷蔵、冷凍など、おいしさを長持ちさせるための方法も、野菜によってそれぞれ違います。意外と迷ってしまう野菜の保存方法を、品目別に詳しくご紹介します!
1. 大根・にんじん・ごぼうの保存方法
畑で保存
大根、にんじん、ごぼうは比較的寒さに強いので、冬の時期は、根の部分がきちんと埋まるように土寄せして凍結を防げば、収穫せずにしばらく畑に置いておくことができます。さらに長く保存したい場合は、葉を付け根近くで切り落として、土の中に埋める方法がおすすめです。畑の空きスペースなどに底が平らな穴を掘り、野菜を重ならないように並べて、上に20~30cm土を盛り上げます。雨が直接当たらないように、ブルーシートをかぶせておくと良いでしょう。年明けの2月ごろまで貯蔵することができます。室内で保存
冷蔵保存
土を洗い落としてから保存するなら、大根、ごぼうは濡れた新聞紙に包んで乾燥を防ぎ、ラップで包むかポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に入れましょう。にんじんは水分を嫌うので、乾いた新聞紙に包みます。保存期間は2週間程度が目安です。野菜鮮度保持袋 愛菜果
野菜鮮度保持袋 愛菜果 お試しセット 4サイズ×1袋
野菜の老化の原因となるエチレンガスを吸着する、大谷石の粉末が配合された保存袋。大根やごぼう、ネギを切らずに入れられるロングサイズ、白菜やキャベツが丸ごと入る大きさに合わせて使える4つのサイズのセット。
冷凍保存
冷凍庫で保存する場合は、皮をむいて食べやすい大きさに切り、冷凍用の保存袋に入れてしっかり空気を抜きます。ごぼうは切った後に5分ほど水にさらし、アク抜きしてから冷凍しましょう。このほか、根菜類は漬物や干し野菜にすると風味が増し、栄養価もアップするのでおすすめです。干し野菜の作り方は、こちらの記事を参考にしてください。
2. 里いも・さつまいもの保存方法
ちなみに、同じ芋でも、里いもとさつまいもは食べごろのタイミングが違います。里いもは掘りたてがみずみずしくておいしく、反対に、掘りたてのさつまいもは甘みが少なくおいしくありません。2~4週間保存することでデンプンが糖化し、甘いさつまいもを味わうことができます。
里いもを常温保存
里いもを冷凍保存
里いもを冷凍する場合は、ゆでてからがおすすめ。皮をむいた里いもを、塩を入れた熱湯でゆで、竹串がスッと通る程度まで火を通します。大きなものは使いやすい大きさに切っておくと便利です。よく冷ましてから冷凍用の保存袋に入れ、しっかり空気を抜いて、冷凍庫に入れましょう。さつまいもを常温保存
収穫後に追熟させることで甘みが増すさつまいも。温度や湿度に注意して、上手に保存することが、おいしいさつまいもを味わうための重要ポイントです。さつまいもを掘り上げたら、土の上に広げて半日~1日ほど天日で乾かし、新聞紙で包んで段ボール箱などに入れます。保存の適温は10~15℃で、里いもと同じく、寒さや湿気に当てないように気を付けましょう。2~4週間経つと、デンプンが糖質に変化し、ねっとりとした甘みが生まれます。さつまいもを冷凍保存
さつまいもはそのままでも長期保存できる野菜ですが、使いかけなどを冷凍する場合、生よりも加熱してからの方が風味が落ちにくいようです。1~2cmの厚さに切って熱湯でゆで、冷ましてから冷凍用の保存袋に入れて、しっかり空気を抜き、冷凍庫に入れます。解凍後に食感が良くない場合は、ポタージュやスイートポテトなどに使うのがおすすめです。3. しょうが・にんにくの保存方法
しょうがを常温保存
しょうがの保存温度は15℃程度が適温で、ラップでぴったりと包んで乾燥を防げば、冬なら2週間ほどキッチンにそのまま置いても大丈夫です。ただし、夏に出回る皮の白っぽい新しょうがは、水分が多く、あまり日持ちがしません。みずみずしさの残るうちに食べ切るか、甘酢漬けなどにするのがおすすめです。しょうがを水に浸けて保存
しょうがの乾燥を防ぐには、水に浸けて保存する方法もあります。清潔なタッパーなどの密閉容器にしょうがを入れ、かぶるくらいの水を注いで、ふたをして冷蔵庫に入れます。2~3日に1回は水を取り替えましょう。使い掛けのしょうがも、この方法で1カ月ほど保存することができます。しょうがを冷凍保存
しょうがは少量ずつ使う食材なので、丸ごとよりも薄切りや千切り、みじんぎり、すりおろしなど、使いやすいように加工してから小分けにし、ラップに包んで冷凍しておくと便利です。使い掛けを再冷凍して風味が落ちるのも、これで避けられます。にんにくを常温保存
にんにくを冷蔵保存
にんにくの芽が伸びるのを遅らせるには、冷蔵庫のチルド室(0℃前後)に入れるのがベスト。丸ごと、または粒をほぐして、皮付きのままキッチンペーパーで1つずつ包み、ポリ袋に入れてチルド室に置くと、2~3カ月ほど保存できます。薄皮をむいた状態で冷蔵保存もできますが、香りが飛びやすいので、2週間ほどで使い切るようにしましょう。薄皮をむくとほかの食材に臭いが移りやすいので、しっかり密閉してください。にんにくを冷凍保存
にんにくを長期保存するなら、冷凍も手軽です。粒をほぐして冷凍用の保存袋に入れ、冷凍庫に入れます。薄皮はむいても、そのままでも構いませんが、薄皮を付けたままの方が風味が長持ちするようです。切ったりすりおろしたりしてから冷凍もできますが、ほかの食品に臭いが移らないようにしっかり密閉しましょう。4. キャベツ・ブロッコリーの保存方法
キャベツを常温保存
キャベツの保存に適した温度は5℃前後なので、外葉を付けたまま新聞紙などに包み、玄関などの寒い場所におけば、1週間ほどは保存できます。キャベツを冷蔵保存
長く保存したいときは、軽く湿らせた新聞紙やキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて、冷蔵庫に入れます。このとき、芯の部分をくり抜いて濡らしたキッチンペーパーを詰めておくと、葉がしおれにくくなり、2週間ほど鮮度をキープできます。また、使うときは、包丁で切ると断面から水分が抜けてしまうので、外側の葉から1枚ずつ剥がして使うのがおすすめです。キャベツ芯取り器
キャベツの冷凍保存
ブロッコリーの冷蔵保存
ブロッコリーは鮮度が落ちやすく、常温での保存には向きません。湿らせた新聞紙やキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて冷蔵すれば、ある程度は鮮度を保つことができます。ただし、生の状態で長くおくと、表面のつぼみが開いて黄色い花が咲き、風味も栄養価も減ってしまいます。3日程度を目安に使い切るか、一度ゆでてから冷蔵・冷凍しましょう。ブロッコリーの冷凍保存
ブロッコリーのおいしさを長期間保つには、鮮度の良いうちに冷凍するのが最もおすすめです。生のままでも、ゆでてからでも冷凍することができます。生の場合は、洗って小房に切り分け、水気をしっかり拭き取って冷凍用の保存袋に入れ、空気を抜いてから冷凍庫に入れましょう。ゆでてから保存するときは、洗って小房に分けたブロッコリーを、塩を入れた熱湯で30秒間ゆで、すぐに冷水で冷まし、冷凍用の保存袋に入れます。ゆですぎると解凍した時に食感が悪くなるので、短めにゆでるのがポイント。保存期間は1カ月程度が目安です。
5. ほうれん草・小松菜の保存方法
冷蔵保存
葉物野菜を冷蔵庫に入れるときは、濡らした新聞紙やキッチンペーパーに包んで湿度を保ち、ポリ袋などに入れます。袋の口は密閉せずに少しあけておき、3~4日を目安に早めに食べ切るようにします。葉の部分を上にして立てたまま冷蔵庫に入れると、劣化をやや遅らせることができます。冷凍保存
葉物野菜は、生でもゆでてからでも冷凍できます。生の場合は、洗って水気を拭き取り、食べやすい大きさに切って冷凍用の保存袋に入れます。ゆでる場合は、軸の方を先にして、塩を入れた熱湯で20秒間ほどサッとゆで、冷水にとって冷まし、水気を絞って冷凍用の保存袋に入れます。用途に合わせて食べやすくカットしておくと、すぐに使えて便利。どちらの方法でも、水分が残っていると霜がつきやすく、解凍した時に水っぽくなるので、冷凍庫に入れる前にきちんと水気を取るのがポイントです。冷凍後は、1カ月を目安に食べ切るようにしましょう。6. 白菜の保存方法
畑で保存
白菜は寒さに強く、畑にそのままおいて保存ができます。ただし、霜に当たると葉が傷むので、霜の降りる12月上旬ごろまでに、外側の葉で球の部分を包むようにして、上から1/3ほどのところをひもで縛っておきましょう。外葉は黄色くなっていきますが、内側はみずみずしさを保ち、2カ月ほど保存ができます。常温保存
冷蔵保存
白菜丸ごと1玉を一度に使い切るのは、なかなか難しいもの。少しずつ使う場合は、外側の葉から1枚ずつ剥がして使うのがおすすめです。残った分は芯に切り込みを入れ、キッチンペーパーに包んでから、さらに新聞紙で包み、冷蔵庫に入れましょう。縦に置いた方が鮮度を保てます。半分や1/4にカットした白菜は、切り口から水分が抜けていくので、全体をぴったりとラップに包んでから冷蔵庫に入れます。保存期間は、丸ごとのもので3~4週間、カットしたものは1週間程度が目安です。
冷凍保存
中途半端に余った白菜は、食べやすく切って冷凍用の保存袋に入れ、冷凍がおすすめです。シャキシャキ感はなくなるので、煮込みなどの加熱調理向きですが、1カ月ほど保存できます。硬い芯の部分と軟らかい緑の部分を分けておくと、用途に合わせてすぐに使えて便利です。7. 長ネギの保存方法
畑で保存
寒さに強い長ネギは、2月ごろまでは畑に植えっぱなしにしてもOK。根の白い部分が露出しないように、ときどき株元に土を盛り上げながら、使う分だけ少しずつ収穫しましょう。日が長くなり気温が上がると、花芽ができ始めるので、その前には収穫を終えるようにします。一度収穫してから保存する場合は、畑の隅などに溝を掘り、長ネギを立て掛けるように並べて、白い部分が埋まるように土を盛り上げます。深さのあるプランターに土を入れて、同じように保存することもできます。