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ライター - murasaki
DIYなどのものつくりや植物系のガジェットが好き。
屋上で菜園をしたり、自作器具で水耕栽培をしたりしています。…続きを読む

DIY用電動工具をこれから買おうとしているならぜひ選択肢に入れてほしいのがブラック・アンド・デッカーのマルチエボシリーズ。ヘッドを変えるだけでさまざまな工具として使えるとても多機能な電動工具です。でも「万能工具系は結局中途半端そうで不安…」という方も多いのでは?。迷った末に買った筆者が、マルチエボの魅力、実際使っての感想、弱点などを紹介します。
ブラック・アンド・デッカーのマルチエボとは?
マルチエボとは

DIYをしているとどんどん電動工具が欲しくなりませんか?ドリル、丸ノコ、サンダー…。でも、そろえるには結構なお金が掛かるし、収納場所にも困ります。そんな悩みを解決してくれる画期的な電動工具がマルチエボシリーズ!一見ただの電動ドリル。でも、ヘッドを変えることで、丸ノコ、サンダー、トリマー、電気ノコギリ、ジグソーなどなど、さまざまな工具として使えるのです。
一つひとつそろえるより安くなる点、そして広くない家に住んでいる筆者にとっては、場所を取らない点が大変魅力的でした。
BLACK+DECKERとは

このマルチエボを作っているのがブラック・アンド・デッカー(BLACK+DECKER)。日本ではそこまでではありませんが、世界では超メジャーなメーカーで、黒と赤い(オレンジ)のカラーでおなじみです。1910年にアメリカで設立され、現在では定番のピストル型の電動ドリルを世界で初めて開発したのもここ。家庭で使いやすい工具からプロ用工具まで幅広い品ぞろえを誇っています。
マルチエボの評判は?口コミと評価をチェック
ホームセンターなどでも特集されることの多いマルチエボ。実際購入した人の評判はどうなのでしょうか。いくつかピックアップしてみました。
一からそろえる事を考えるのであれば、これで充分過ぎ。マイナス点は収納カバン?ボックスでいいのか分からないが、器具を出したら収め方に若干戸惑う。個人的な意見だがいい意味でオーバースペックで使用頻度から考えると、ダウングレードなもう少しお手頃な物があればなぁと言うこと無し。
出典:Amazon
家庭のDIYには十分。ずっと丸ノコが欲しくて何を買うか迷っていましたが、インパクトとジグソーもついてこの値段なので即決しました。仕事でマキタを使っていますが、このインパクトでも十分です。カバンも便利です。
出典:Amazon
ヘッド交換で機能を変えられるこのアイデアは秀逸としか言いようがありません。プロ仕様ではないので長時間ぶっ通しで使用すると回路が焼き付く懸念がありますが、そこそこのDIY用としてはまったく不満はありません。バッテリーも2個あるのでよほど使い込まないと電池切れになることもありません。追加で空気入れヘッドやインパクトヘッド、ノコギリヘッドも買いそろえてしまいました。ジグソーは今の所出番なしです。なのでセットはジグソーでなく空気入れだと人気は上がるでしょう。今電動空気入れがテレビ通販で売れているみたいですからね。
出典:Amazon
スーパーマルチツール。多機能の商品は得てしてその機能が中途半端なことが多い。でもこのブラックアンドデッカーのマルチツールは単体のツールに引けを取らないくらい素晴らしく使いやすいと感じました。もちろんあくまでもDIYの範疇での感想です。
道具をたくさん置けるスペースがあれば別ですが、個人が日曜大工レベルで使用する前提で、ジグソーからサンダーやドリルまで一つのケースに収まっていることは驚異的です。
私はインパクトドリルの代わりにジグソーのセットにしましたが、そのうちインパクトドリルを単体で追加しようと思います。
ちなみに丸ノコも単体で追加しましたが、大活躍してくれています。
一番嬉しいのは、予備の充電用バッテリーが標準装備されていたことです。終日大工作業をしていても常に片方をフル充電にできるのでストレスなしです。
出典:Amazon
Amazonのレビューではかなり肯定的なレビューが多く、「ブラック・アンド・デッカー(BLACK+DECKER)マルチツール プラス 18V EVO183P1」では星5中、4.5の高評価でした。
マルチエボ、実際使ってみてどう?レビュー&使い方

撮影:murasaki
では、私が実際に使っているEVO183P1 ・空気入れ・収納バッグについて紹介していきます。

撮影:murasaki
まずは本体。18Vのバッテリーで駆動します。初めて持った時にはバッテリーの軽さにびっくり。前に使っていたものより、体感的には半分くらいに感じました。標準で2つ付いてくるので、バッテリーが無くなったら交換し、その間にバッテリーを充電、という使い方ができるのが便利です。
ドリルドライバー・インパクトドライバー

撮影:murasaki
最も使う機会が多いドリルドライバー。トルク調節は1~10、それにトルクなしの11段階あるので、気を遣わずにねじ締めが可能です。

撮影:murasaki
トリガーの引き具合によってスピードが無段階で調節できます。初めはゆっくり行えば、下穴なしでの穴あけも楽。ドリルドライバーは安い専用品より使いやすいです。

撮影:murasaki
そしてヘッドの交換はストッパーを押して引っ張るだけ。ワンタッチでできて、思いのほか面倒臭く感じません。

撮影:murasaki
お次はインパクトドライバー。少し見た目が違いますね。3.8mm×3.5mmのコーススレッドを締めるのに2秒位でしょうか。専用品に比べると遅く、特に充電がいっぱいではない状態では弱々しい印象がありますが、ドリルドライバーよりは圧倒的に素早くネジ締めができます。

撮影:murasaki
地味に便利で感動したのがヘッドの上に付いている磁石。ビットやネジなどを付けておけます。こういった小技が利いているのが、さすが老舗工具メーカーというところ。
丸ノコ

撮影:murasaki
丸ノコヘッドです。このピストル型に付いていると不思議な感じがしますね。刃の直径85mmと定番サイズより一回りコンパクト。

撮影:murasaki
刃にはカバーが付いています。さらにスタート時はサイドのスイッチを引いていないとトリガーを引いても回転が始まらないという、安全性に考慮した設計です。

撮影:murasaki
ピストル型の丸ノコはほかに使ったことはありませんが、特に違和感なく使えます。切り進みスピードは遅めですが、慣れていない方にはむしろ使いやすいかも。音は専用品と比べて大きめに感じました。

撮影:murasaki
角度を付けての切断はできません。また、注意すべきは切込みの深さ。21mmまでしか切れないので、2×4材等の場合、2回に分けて切る必要があります。

撮影:murasaki
下の2つの板は切れていますが、一番上の2×4は半分ほどまでしか切れていませんね。また、充電が減るとトルクが落ち、節で止まってしまうことも。切る本数が多いならコード式の本体を使いたいところ。

撮影:murasaki
正直なところ丸ノコは専用品の方が切断の速さや太くて硬い材料の切断力ではだいぶ勝ります。ただ、20mm以下の板の切断がメインで、スピードを求めないのであれば十分使える性能。もちろん手ノコやジグソーに比べれば直線切りはかなり楽になります。
丸ノコ替刃
もちろん替刃の購入も可能です。消耗品なのでスペアは備えておくと安心。
丸ノコECH183-JP用替え刃 CB24T
85mmの丸のこ替え刃。ブラック・アンド・デッカーの純正品です。
サンダー

撮影:murasaki
私の中で飽きる作業NO.1の研磨。サンダーを使えばかなり楽になります。サンダーヘッドには荒目と細目の2種類のペーパーが付属。もちろん純正の他ナンバーのペーパーが使えるのはもちろん、他社製品を流用することも可能です。

撮影:murasaki
棚の角などまで研磨しやすい尖った形状。実際使ってみると、本体がピストル型のせいか少々暴れやすいです。

撮影:murasaki
集塵機を付けるためのアダプタもこのように取り付けることができます。集塵機を使っていないので試していませんが、室内で作業する方には必要な機能ですね。
空気入れ

撮影:murasaki
圧力メーターで確認することで、適切な空気圧まで空気を入れられます。電動の空気入れを使うのはこれが初めてだったのですが…うるさかったです。「プププププ」という高い音が響き渡り、住宅地ではちょっと使いづらかったのでお蔵入り状態。

撮影:murasaki
ちょっとおもしろかったのは接続部品がヘッドのこの部分に格納されているところ。
収納

撮影:murasaki
工具バックはネットでの評判は分かれていますが、私は便利だと思います。50cmほどで、底は丈夫なプラスチック。口が大きく開くため、中の工具を取り出しやすいです。

撮影:murasaki
外側に6つのポケット、内側は3つの部屋に仕切られ、それぞれにポケットなどが。どこに何を収納すればいいのかわからないのが残念ですが、とにかくスペースがあるので問題なく使えます。マルチエボ以外の工具も一緒に収納していますが、まだまだ余裕がありますね。
マルチエボを実際に使ってみたメリット・デメリット

実際に使ってみて、マルチエボ全体としてどうなの?という感想です。個人的なものなので、人によって異なるとは思いますが、参考にしていただければうれしいです。
メリット
ちょっと使いに十分な実力
それぞれの能力はしっかりあります。もちろん専用の上位モデルには及びませんが、安いDIY用モデルの電動工具であれば引けを取らないどころか、ツールによってはマルチエボの方が使い心地が良いものも。予想していたよりもそれぞれのツールの完成度は高かったです。
コンパクトさはさすが!持ち運びも
購入前に一番魅力を感じていたコンパクトさは思った通り。置き場所に困っていた電動工具がかばん一つにスッキリまとまるのはすごいです。また、私の場合、工具の保管場所と使う場所が少し離れているので、持ち運びしやすいのも助かりました。
DIYレベルがアップする
そして予想してなかった良さが、さまざまなツールが気軽に使えることの効果。通常、使用頻度の低いツールは購入がためらわれ手元に置きません。しかし、マルチエボだと、そもそもセットになっていたり、ツールを増やすハードルも低かったりと多くの種類の電動工具がすぐに使える状態になります。そうすると、これまであまり使わなかったツールを使うことでスキルが付いたり、時間が掛かっていた作業をサクッと済ませられることでDIY頻度が上がったりと、全体としてDIYのレベルが上がっていくように感じました。
デメリット
毎日使うには力不足
やはり専用品の上位モデルと比べての力不足感は否めません。切断範囲が少し狭かったり、音が大きめであったり、切断に時間が掛かったり。毎日のように使う方や、一つの工具を特に多く使う方には向いていないでしょう。
結論
DIYを始めるぞ!という初心者はマルチエボは買いだと思います。どんな工具をどう使うか、何に使えるのかを素早く学べ、作品作りも圧倒的に楽になります。慣れてきて、自分が特によく使う工具がわかってきたら、その工具は専用品の上位モデルを買うといいと思います。また、2つくらい電動工具は持ってるけどもうちょっと欲しいな、という中級者がサブに持つのもありでしょう。使用頻度の低い、でもいざというときに便利な工具をコンパクトに収納しておけるのはメリットだと思います。
マルチエボのラインナップ

発売初期に比べてヘッドのバリエーションが増え、現在は本体2種類、ヘッドは12種類も使えるようになっています。自分の気になっているツールは入っていますか?ラインナップをチェックしてみましょう。
コード式本体
マルチエボの本体は基本的にバッテリー式ですが、オプションとしてAC電源で使える本体もあります。充電を気にせず長時間使いたい、より強いパワーが欲しいという方に。
ドリルドライバー

穴あけやネジ締めができるドリルドライバーはDIYに必須の工具。11段階のトルク調整ができます。回転数は800回転/分とプロ用と比べて低いですが、DIY用としては特に問題なく使えます。
インパクトドライバー

衝撃を使って長いネジも一気に締めることができるインパクトドライバー。ウッドデッキ作りなど、長いネジ締めをたくさんする時に。
ジグソー

細いノコ刃を上下に動かすことで木材を切断するジグソー。特に曲線切りや切り抜きが得意で、ホームセンターでは切れないようなカーブのある作品作りに活躍します。
サンダー

大変なやすりがけ作業を楽にしてくれるサンダー。細かいところまで使いやすい先の尖った形。サンドペーパーは取替式で、セットには洗目と細目が付属します。
丸ノコ

撮影:murasaki
DIYで行う機会が多い木材の直線切り。まっすぐに切るのは難しいものですが、丸ノコがあれば簡単&短い時間でラクラク切断できます。
マルチノコギリ
ハンドツールのノコギリを使う感覚で使える電動ノコギリ。木材はもちろんプラスチックや金属も切ることができ、粗大ごみの処理や庭木の手入れなどに活躍します。
マルチはさみ
薄い金属やカーペット、金網まで切断できるマルチはさみ。普通のはさみで切るのが大変なものを楽~に切断。粗大ごみの処理などさまざまなシーンに使えます。
トリマー
棚板を差し込むための溝掘りや、額縁のような装飾的な面取りができるトリマー。無骨な木工からより美しい作品へ、クオリティを格段に上げてくれます。
2in1ガーデン(剪定)
庭のお手入れに使える2種類のブレードを使える2in1ガーデン。長めのブレードの庭木バリカンは植え込みや生け垣のトリミングに。短いバリカンブレードは芝や雑草のお手入れに。
オシレーティングツール
オシレーティングツールと言うとなじみがありませんが、他社メーカーで言うマルチツールです。振動により切断や切削、研磨まで可能。石膏ボードの開口部作りやタイル剥がしなどお家周りの作業で特に使えるツール。
振動ドリル
コンクリートやブロック、レンガへの穴あけが可能なドリル。振動を使うことで切削くずを除き、普通のドリルでは目詰まりしてあけられないものもきれいに穴あけできます。
空気入れ(インフレーター)

撮影:murasaki
自転車や車のタイヤの空気入れに使える空気入れ。圧力メーターが付いていて適切な空気圧にできます。
どのセットを買う?マルチエボのセットの種類
セットの種類と価格
マルチエボはセットで購入します。基本のセットは2種類、EVO183P1と EVO183B1。B1の方が3ツールとライト、P1の方が4ツールと少しグレードアップします。が、実際のところジグソーが欲しいならB1、丸ノコが欲しいならP1という選択になるかと思います。P1の方が少し高め。
ブラック・アンド・デッカー(BLACK+DECKER)マルチツール ベーシック 18V EVO183B1
ドリルドライバー、サンダー、ジグソーの3役セット。これ一つで穴あけ、研磨、切断というDIYで最低必要となる作業が全てこなせます。
マルチツール ベーシック EVO183B1
・セット内容:本体、ドリルヘッド、ジグソーヘッド、サンダーヘッド
・付属品:ビットセット、ブレード、サンドペーパー、集塵機アダプター、1.5Ahリチウムイオンバッテリー×2個、40分急速充電器、専用キットボックス
ブラック・アンド・デッカー(BLACK+DECKER)マルチツール プラス 18V EVO183P1
ドリルドライバー、インパクトドライバー、サンダー、丸ノコのセット。正確に直線切りができ使用頻度の高い丸ノコと、ネジ締めの効率を大幅にアップするインパクトが加わり、ウッドデッキ造りなど大型の工作に向いています。
マルチツール プラス EVO183P1
・セット内容:本体、インパクトヘッド、ドリルヘッド、丸ノコヘッド、サンダーヘッド
・付属品:ビットセット、チップソー、サンドペーパー、1.5Ahリチウムイオンバッテリー×2個、40分急速充電器、収納バッグ
スペシャルボーナスキット
ドリルドライバー、インパクトドライバー、丸ノコ、サンダー、空気入れ(インフレ―ター)の5つにバッグが付いたセット。単体では売っていない専用バッグが魅力的。
マルチツールプラス スペシャルボーナスキット EVO183P1-JPBI
・セット内容:本体、ドリルヘッド、インパクトヘッド、丸ノコヘッド、サンダーヘッド、インフレーターヘッド
・付属品:ビットセット、ボール用バルブ、浮輪用アダプター、仏式アダプター、英式アダプターマルチ集塵アダプター、1.5Ahリチウムバッテリー×2、40分急速充電器、収納バッグ
コンプリート
数量限定で発売されたコンプリートセット。ラインナップで紹介した12種類のヘッドに加え、コード式本体、31種類入った非売品ビットセット、USBチャージャー、専用バッグ、コードレス掃除機がついたデラックスなセット。
マルチツール コンプリートセット EVO183H12S-JP
<セット>
・セット内容:本体、インパクトヘッド、ドリルヘッド、2in1ガーデンエボヘッド、マルチノコギリヘッド、丸ノコヘッド、トリマーヘッド、マルチはさみヘッド、空気入れヘッド、オシレーティングヘッド、ビットセット、コード式ボディ、コードレスクリーナー、USBチャージャー、収納バッグ
マルチエボの中古情報
愛用者が多いのかあまり中古市場では出回っていないマルチエボですが、うまくタイミングが合えばお得に手に入れられるかも。
ヤフオク!
日本最大オークションサイトのヤフオク!。調べた中ではマルチエボが最も出品されているサービスです。ヘッドやバッテリーなどの単体販売が多いです。
ヤフオク!メルカリ
メルカリでもマルチエボが出品されています。出品後早々と売り切れてしまうことが多いですが、低めに価格設定されたものもありチェックしたいところ。
メルカリこれ一つあれば何でもできる!
性能にはあまり期待してなかったマルチエボ、思った以上にちゃんと使え、なかなか便利です。DIYは工具がかなり威力を発揮するので、これから始める方にはさまざまなシーンで使えるマルチエボはおすすめしたい製品でした。