マルチツールの種類と使い方
マルチツールとは?
マルチツールはさまざまな作業ができる多機能な電動工具。先端工具(ブレード/アタッチメント)を変えることで、木材の切断からタイル剥がしまでいろいろなシーンで使用できます。木や金属、ゴムなどさまざまな素材に使えるのも特徴です。マルチツールの機能
切断
木材や石膏ボードはもちろん、釘や鉄筋などの金属、断熱材やゴムなどの柔らかい素材まで切断できます。振動を使った切断は、超音波カッターのようなイメージですね。金属を切る際にもディスクグラインダーと違い火花が出ないので安心。開口部を作るポケット切断やきわ切り、ほぞ切りなど細かな部分で威力を発揮します。また、カーペット、人工芝などハサミやカッターでは切断が大変なものをスムーズに切ることができます。研磨
振動工具なので、研磨はお手の物。木材の研磨はもちろん、タイルの目地削りなど細かい部分に便利です。曲面研磨のアタッチメントを使えば、手摺やパイプの研磨も楽々。剥離
マルチツールで最も特徴的なのがこの剥離。他の工具では難しく、かといって手では大変な剥がす作業を助けてくれます。例えば接着剤が固まって取れないカーペットを剥がしたり、タイルを剥がしたり。扱いにくいシーリング材やコーキング剤の除去もできます。もちろん塗装剥がしも、マルチツールなら細かいところまで届きます。実際使えるの?活躍するシーン
電動マルチツールの三大メーカー比較|ボッシュ、マキタ、日立
ボッシュ(BOSCH)
実はマルチツールという電動工具を初めて販売したのはボッシュ。2008年に登場し、その人気にほかのメーカーが次々販売するようになったという歴史があります。2016年よりスターロックシリーズというワンタッチでブレードを装着可能なシリーズを発売。使い勝手の良さと強力な切断能力を実現し、他のメーカーを一歩引き離しています。現行機種(2018年)は7種、アクセサリーも68種以上(2017年)がラインナップされており、マルチツールを最も進化させているメーカーと言えるでしょう。10.8Vコードレスマルチツール MLT1108
DIY用途ならこのバッテリー式マルチツールのセット。コードレスで取り回しが良く、軽量。DIY用途ならパワーも十分です。安全にも配慮されているのでお子さんがいる家庭にも良いですね。バッテリーと充電器はもちろん、ポケット切断に便利な標準の切断用ブレードと木工きわ切り用ブレード、サンディングパッドとペーパーなどが付属し、届いてすぐに使えます。マルチツール スターロックプラス GMF50-36
AC電源式で充電を気にせずに使えます。そしてAC電源だからこそ実現されたパワー!これまでのマルチツールはいろいろ使えるけれども、切断スピードはイマイチという弱点もありましたが、このGMF50-36は500Wモーター搭載のハイパワーで釘の面切断まで可能。プロがしっかり使える機種です。マキタ
国内の電動工具市場で大きなシェアを占めるマキタ。バッテリー式のシリーズな豊富さと、手厚い販売・サポート体制が特徴です。マルチツールも現行5機種のうち、4機種がバッテリーモデル。10.8V、14.4V、18Vそれぞれ発売されています。本体に大きな特徴はないてすが、先端工具が多彩でボッシュを上回る70種以上がラインナップされています(2018年総合カタログより)。
コードレスマルチツール TM51DZ
42種類の多彩な先端器具が使えるマルチツール。ワンタッチとはいきませんが、工具なしで先端工具の交換が可能。マキタの18Vバッテリーが使い回せます。他の18Vバッテリー電動工具を持っている、買う予定があるなら迷わずこの機種。HiKOKI(日立工機)
国内電動工具でマキタと争う2大メーカーの一つ。ブランドが2017年よりHITACHIからHiKOKIに変更されました。技術開発に強みがあり、モーター性能が良いです。また、最近ではAC電源並みの出力が可能かつコンパクトなバッテリー、36Vマルチボルトシリーズを売り出しています。マルチツールは少なめの3機種、先端工具も37種類とマルチツールにはあまり力を入れていないのかな?というラインナップ。目立った特徴はありませんが、性能は安定して良いです。
コードレスマルチツール CV18DBL
こちらも先端工具は工具なしで交換可能。独自機能のオートモードというものがあり、無負荷時に振動が自動で切り替わることで騒音や振動を軽減してくれます。振動工具は使っていると思いのほか手が疲れてくるのでうれしいですね。1充電当たりの作業量も大きく、地味でもよく働く、信頼のおける機種です。同クラス商品で比較してみると?
ボッシュ、マキタ、日立の同クラスの商品のスペック、価格を比べてみました。スペック比較表
基本的な性能では大きく変わりませんが、ボッシュはワンタッチ装着が可能な一方振動角度は小さめ、マキタは重いが若干お安め、日立はバランスよくバッテリーの急速充電が頭一つ飛び抜ける、といった形です。メーカー | ボッシュ | マキタ | 日立工機 |
型番 | GMF 18V-28 | TM51DRG | CV18DBL |
バッテリー | 18V | 18V | 18V |
最大Ah | 6.0Ah | 6.0Ah | 6.0Ah |
振動数 | 8,000~20,000min-1 | 6,000~20,000min-1 | 6,000~20,000min-1 |
工具取り付け | 工具なしワンタッチ | 工具なし | 工具なし |
参考価格(本体のみ) | 23,800円 | 21,400円 | 23,400円 |
振り子振動角度 | 2.8° | 3.2° | 3.2° |
充電時間 ※6.0Ahバッテリー利用時 | 約55分 | 約55分 | 約30分 |
サイズ | 312×85mm | 340×80×122mm | 307×122mm |
重量 | 1.6kg ※2.0Ahバッテリー装着時 | 2.2kg ※バッテリー装着時(容量不明) | 2kg
※6.0Ahバッテリー装着時 |
特徴 | ワンタッチ装着スターロックシステム | ー | オートモードで振動 騒音軽減・急速充電 |
結局おすすめのメーカーは?
マルチツールだけ使うのなら軽量で取り回しやすいボッシュのDIYモデルが使いやすいでしょう。また、プロ並みに使う、使用頻度が高いという人にも、パワーモデルがありワンタッチでブレードの交換が可能でなボッシュがやはりおすすめです。ただ、マキタや日立のマルチツールが使いにくいということは全くなく、既にほかのバッテリー式の工具を持っているのならそのメーカーに合わせて買うのが良いでしょう。