草刈り・除雪・豪雨対策もバッチリ!トラクターのアタッチメント活用術

トラクターのアタッチメントの種類や使い方を、動画を交えて解説します。大人気のヤンマー最新トラクターのロータリー耕運の様子や、メンテナンス方法、最新アタッチメント情報もご紹介。実際に中古アタッチメントを購入した感想もお伝えします!


出典:Pixabay
農業従事者が年々減少し、後継者不足や耕作放棄地の増加が問題になっているのはご存知のとおり。農機メーカーは作業負担を減らしてくれるさまざまな農機を開発しています。

今回は、農機のなかでも高い生産性を実現するトラクターの「アタッチメント」にフォーカス!アタッチメントを活用して、人手不足に負けない強い農業を目指しましょう!

トラクターのアタッチメントとは?

出典:Pixabay
アタッチメントは、トラクターの動力を使って農作業を行う作業機のことです。一般的には土を耕す「ロータリー」が有名ですね。
ほかにも、畝を立てる「畝立て」、天地返しを行う「プラウ」、草を刈る「モア」などさまざま。農作業だけでなく、冬場の除雪を行うためのものまであるんです!また、収穫した野菜を運搬するアタッチメントを使えば、軽トラックでは入ることのできない圃場の収穫物も楽に運搬できますよ。

アタッチメントにはどんなものがある?

出典:Pixabay
主なアタッチメントを、畑・田んぼのどちらでも使えるもの、畑作専用、稲作専用のものに分けてご紹介します。

畑でも田んぼでも大活躍のアタッチメント

ロータリー|幅広い用途に使える万能選手

軸が回転することで、軸に取り付けた爪が田や畑の土を細かく砕きます。野菜などを収穫したあとの畝を平らにならす、地表に散布した堆肥などを攪拌する、雑草を細かく粉砕し再生を遅らせるなど、幅広い用途に使える万能選手。

また、ロータリーは爪が重要!「反転性・すき込み性」「細土性」「耐久性」の3点を考慮して、最適な爪を選択することをおすすめします。ロータリーの爪は、先端幅が0.5~1.5cmまで摩耗すると作業効率が悪くなってしまいます。定期的にチェックし、交換しましょう。

→ロータリーの使い方を動画でチェック!



出典:YouTube(YANMAR AGRICULTURE)

プラウ|天地返しで土壌改良

作物を植えて何年も経つと、土壌の表面近くに塩類が蓄積されたり、特定の微生物や病原菌、雑草の種などが発生したりすることが。そこで、作土壌の上と下を入れ替える作業が必要になるのですが、このときに便利なアタッチメントがプラウです。プラウで耕すと土中の害虫も地表に浮き上がり、しつこい害虫が退治できます。

→プラウの使い方を動画でチェック!

出典:YouTube(スガノ農機)

ローダー|除雪に最強!肥料・堆肥・野菜の運搬にも

スコップを使っての冬場の除雪作業は本当に重労働。でもローダーを使えば解決!トラクターのフロントに連結し、運転席で操作できるので、とっても楽です。さらに除雪以外にも肥料、堆肥、野菜の運搬などにも大活躍。水田の整地作業にも。

→ローダーの使い方を動画でチェック!

出典:YouTube(ヤンマーアグリジャパン株式会社北海道カンパニー)

草刈り機|夏の雑草を撃退

夏場になると、雑草はあっという間に繁殖しますよね。ときには人間の背丈を超えるほど伸びて、刈払機では刈れなくなってしまうことも。そんなときこそトラクターの出番!フレールモア、スライドモアなどをトラクターにつなげば楽に草刈りができます。しかも広い面積を一度に刈り取ることができるので、刈払機以上とは作業効率が断然違います。

→スライドモア・フレールモアを動画でチェック!

出典:YouTube(松山株式会社)

トレーラー|重たいものを運ぶならこれ!

トラクターで牽引して、重量物を運搬する汎用トレーラーがあります。積み込み作業時に油圧で荷台を上下することができるものなら、田んぼまでコンバインなどを運搬することもできます。より安全な走行ができるブレーキ付きのモデルも。

畑の作業を効率化するアタッチメント

サブソイラー|ゲリラ豪雨の被害を防ぐ

近年、台風や豪雨で圃場が水没するケースが増えています。高畝にする、圃場の縁に堀を作るなど排水性を高める取り組みが欠かせません。このサブソイラーを使うと、地中の硬盤を破壊・切断し、雨水の浸透性を高めることができます。しかも、植物の根域を拡大する効果も。3年に一度など定期的に施行することをおすすめします。かくいう私(脱サラ就農4年目) もネットオークションにて約4万円で購入、19馬力の小型トラクターでも問題なく使えています。

→サブソイラーの使い方を動画でチェック!

出典:YouTube(冨士トレーラー製作所)

マルチャー|体力の必要なマルチ張りこそ動力で

野菜の株元をビニールなどで覆うマルチ。雑草の抑制、肥料の流亡防止、地温の上昇、土壌の保湿が期待できますが、すべて手作業で…となると、その労力は計り知れません。マルチャーはマルチ用ビニールを張るためのアタッチメントで、トラクターのロータリーに接続して使用します。作物の種類に応じて、平畝や丸高畝などさまざまな形状にマルチ張りができますよ。

→マルチャーの使い方を動画でチェック!

出典:YouTube(アグリテクノ矢崎グループ)

畝立て機|広い畑も一気に畝立て!

畑に作物を植える際には、畝を立てることが多いもの。もちろん鍬で行うこともできますが、広い面積となるとかなりの重労働となります。畝立て機をトラクターのロータリーに接続すれば、まっすぐで均一な畝が簡単に立てられます。一度に複数の畝立てができる大型の畝立て機も。

→畝立て機の使い方を動画でチェック!

出典:YouTube(ヤンマーアグリジャパン株式会社北海道カンパニー)

田んぼで便利なアタッチメント

あぜぬり機|ひび割れやモグラの穴をふさいで水漏れ防止

畔ぬりは、田んぼを囲む土の壁を塗り付けて防水処理を施すこと。かつては鍬を使って人力で行っていましたが、畔ぬり専用のアタッチメントが開発され、簡単かつきれいに作業を行えるようになりました。

基本的な構造は、土掛け装置と、土をあぜ面に塗り付ける整形板から構成されており、回転爪で元畦ののり面を削り、土を掛けながら畦を整形します。

→あぜぬり機の使い方を動画でチェック!

出典:YouTube(株式会社ササキコーポレーション)

ハロー|表面をならして田植えをスムーズに

プラウやロータリーで耕うんを行うと、圃場の表面に凸凹が生じます。田んぼの水面に土が出ていると雑草が発生する要因となり、田植えにも支障をきたします。ハローを使用して平らにならしましょう。ディスクハローは円盤型の皿で、圃場を平らに整地します。ほかにもスプリングで地面を整地するスプリングハローもあります。

→ディスクハローの使い方を動画でチェック!

出典:YouTube(東洋農機株式会社)

キーワードは「高速化」!最新アタッチメント情報

最新アタッチメントのキーワードは、「高速化」。高い生産性を実現するために、高速作業に対するニーズが高まっているようです。

高速でしかも高精度!大豆や小麦、ソバなどの汎用播種機

農研機構とアグリテクノ矢崎が開発した播種機は時速約10kmと高速、しかも高精度な播種作業を実現。市販の播種機の最大2倍の速さで作業が可能です。

→高速高精度汎用播種機を動画でチェック!

出典:YouTube(日本農業新聞)

超耕速!アクティブロータリー

最高速度5.5km/hでロータリー耕を行うアタッチメントです。耐久性も向上しており、また作業中に簡単にオイルの継ぎ足しが可能なタンクや、オイル残量が一目でわかる確認窓が装備され、メンテナンス性に優れているのも特徴。

→超耕速!アクティブロータリーを動画でチェック!


出典:YouTube(ササキコーポレーション)

アタッチメントの選び方|チェックポイントは?

出典:写真AC
アタッチメントを選ぶ際にもっとも重要なのが、トラクターとの適合性。安全に作業を行うために、必ずおさえてください。

トラクターの馬力に対応しているか?

トラクターの馬力が小さいと、大きなアタッチメントの性能が発揮できないことがあります。逆に、トラクターの馬力が大きすぎると、アタッチメントを破損してしまうことが。所有するトラクターの馬力に適合するアタッチメントを選択しましょう。

アタッチメントとトラクターのバランス

トラクターの前輪にかかる荷重は、総質量(アタッチメントとトラクターの質量合計)の最低20%以上が必要といわれています。最近のトラクターは軽量化の傾向にあるので要注意。

3点リンクの種類は?

出典:写真AC
アタッチメントをトラクターに取り付ける3点リンクには「標準3点リンク」と「特殊3点リンク」があり、両者ではトップリンクが異なります。
標準3点リンクには、JIS規格で0・1・2・3形の4種類の寸法があります。一方、特殊3点リンクには、JIS0・1形があり、40馬力未満のトラクターが主です。購入前に、所有するトラクターの3点リンク種類を確認しましょう。

3点リンクの揚力

3点リンクにアタッチメントの質量以上の油圧揚力がなければ、アタッチメントを上げることができません。トラクターの取扱説明書には、ロワーリンクヒッチ点での揚力が記載されているものもありますが、直装式の場合、ほとんどのトラクターがロワーリンクヒッチ点の揚力よりも小さい質量のアタッチメントしか上げられません(例外もあります)。

トラクター幅やアタッチメント幅

トラクターにはさまざまな輪距(トレッド。左右の車輪の中心間距離)やオプションタイヤがあり、その違いによって車幅が変わります。これに対応したアタッチメントを選ぶことが重要です。

メーカーWebサイトで適合性をチェック!

メーカー各社の公式サイトでは、作業用途、トラクター馬力、作業内容などのフリーワードから最適なアタッチメントを検索できます。アタッチメントを選ぶ際に活用しましょう。
→松山株式会社:www.niplo.co.jp/products/cat-1/index.php?c=b070
→アグリテクノ矢崎株式会社:https://www.agritecno.co.jp/product/
→株式会社冨士トレーラー製作所:http://fuji-trailer.co.jp/product/aze_index.html

メンテナンスが何より重要!

作業が終わったら、きれいに汚れを落とします。
複雑な構造をもつアタッチメントは、メンテナンスを入念に行う必要があります。

保管場所

アタッチメントもトラクターと同じように、納屋や倉庫など雨の当たらない屋内に保管するのが理想です。やむを得ず屋外に保管する場合も、錆防止のため雨にあてないようにしましょう。

清掃

使用後は速やかに汚れを落とします。高圧洗浄機は便利ですが、内部に水が浸入するおそれがあるため、トラクターの取扱説明書をよく確認してから使用してください。

出典:株式会社クボタ『クボタロータリ取扱説明書RL141T-ES/RL151T-ES/RL161T-ES/RL171T-ES/R151T-ES』
→おすすめの業務用高圧洗浄機はこちら

グリスアップ

トラクターとアタッチメントをつなぐジョイント部分には、常に負荷がかかっています。グリスで錆や摩耗を防ぎましょう。ユニバーサルジョイントの摺動(しゅうどう)部はオス、メスを切り離してからグリスアップを行います。

出典:株式会社クボタ『クボタロータリ取扱説明書RL141T-ES/RL151T-ES/RL161T-ES/RL171T-ES/R151T-ES』

爪のゆるみなど部品の点検

ロータリーなどの爪は、石などにあたると簡単に緩んでしまいます。そのまま放置すると爪が抜け落ちて危険!ボルトでしっかり締め直します。

購入するならJA以外も検討しよう!オークションサイトやレンタルも!

出典:Pixabay
アタッチメントは、一般的には農協などを経由して購入するケースが多いですが、最近ではネットオークションがとても充実しています。年数回しか使用しないアタッチメントに投資をするのはちょっと…という方は、中古商品の購入を検討してみましょう。

また、一部農機具販売店などでは、レンタルサービスも実施しています。購入前のお試しや、使用頻度の低いアタッチメントなら活用してみては。
→瀬山農機(埼玉県行田市):http://www.seyama-nougu.co.jp/rental/index.html
→カトウAM(新潟県見附市):http://katouam.info/sub1.htm#sonota
→共成レンテム(北海道帯広市):http://www.kyosei-rentemu.co.jp/Product/7-1Rental.html

周辺の農家の方と協力して異なるアタッチメントを購入し、相互に融通し合うのも生産性を高める方法のひとつですよ。

アタッチメントで生産性がぐーんとアップ!

最近はさまざまなアタッチメントが開発され、活用の幅が広がっていることがわかりました。ネットオークションやレンタルサービスなどを使えば、お得に導入できます。安全に作業を行うためには、何よりも適合性を必ず確認すること。うまく活用することで飛躍的に生産性が向上するアタッチメント、農閑期にぜひ導入を検討してみましょう。

関連する記事

このまとめが気に入ったら
「いいね!」をしよう

この記事のキーワード